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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科55巻4号

2001年04月発行

今月の臨床 婦人科医のための乳癌検診

治療の現状

4.乳癌のホルモン療法の基本

著者: 佐野宗明1

所属機関: 1新潟県立がんセンター外科

ページ範囲:P.538 - P.543

文献概要

はじめに
 乳癌の薬物治療には化学療法とホルモン療法があるが,化学療法がきわめてよく奏効するためホルモン療法はその脇役に位置してきた.ホルモン療法はBeatsonの卵巣摘出術(卵摘)に始まり,その後,抗エストロゲン剤tamoxifen(TAM)の登場以来めざましい発展をとげてきた.また,TAMと同時期に導入されたホルモン感受性の概念から,ヨーロッパを中心に次々に新規ホルモン剤が開発されてきた.化学療法を主体とする米国とホルモン療法を主張するヨーロッパの研究者が1999年のAmerican Society of Clinical On—cology(ASCO)において歩み寄り,乳癌の薬物療法が体系づけられてきた.
 多くの大規模な臨床試験の結果から化学療法とホルモン療法の有効性はほぼ同等とされている1).むしろホルモン感受性があり,良好な予後を期待できる乳癌に対しては初回にホルモン療法を選択することが推奨されるようになった(表1).乳癌のホルモン療法はホルモン感受性と同時に閉経前後という治療予測因子を基に計画され,現在その治療成績は化学療法に勝るとも劣らないといわれている(図1).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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