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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科55巻5号

2001年05月発行

文献概要

今月の臨床 一歩先行く超音波胎児検診 妊娠初期

2.見逃しやすい合併妊娠

著者: 箕浦茂樹1

所属機関: 1国立国際医療センター産婦人科

ページ範囲:P.564 - P.567

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子宮奇形
 子宮奇形は妊孕性自体に悪影響を及ぼすほか,妊娠が成立したとしても流早産,子宮内胎児発育遅延,胎位異常などの合併が多いことはよく知られている.また重複子宮や双頸双角子宮など子宮頸部が2個ある症例ではほとんどの場合に選択的帝王切開が必要であることから,妊娠初期に子宮奇形のタイプを正確に診断しておくことは臨床的意義が大きい.
 表1は子宮奇形の分類を示したものである.これらのうち低形成や無形成では妊娠は成立しない.またdiethylstilbestrolによるものはわが国ではほとんど認められない.したがって妊娠時に見られる子宮奇形は,単角子宮,重複子宮,双角子宮および中隔子宮である.子宮腔のある副角を有する単角子宮では副角妊娠のことがあり,これらの半数以上が妊娠中に破裂を起こすことから事前の診断が望ましいが,開腹手術前に確定診断することは困難であることが多い.なお副角妊娠は交通性,非交通性副角のいずれにも見られる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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