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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科55巻6号

2001年06月発行

今月の臨床 Obstetrics is a bloody business

分娩時出血への対応

5.DICの治療

著者: 中林正雄1 磯野聡子2

所属機関: 1総合母子保健センター愛育病院 2東京女子医科大学産婦人科学教室

ページ範囲:P.678 - P.681

文献概要

産科DICの概念
 DICとは,何らかの原因によって血液の凝固性が異常に亢進して,主に微小循環系の血管内で血液が凝固し,微小血栓が多発することによって引き起こされる症候群をいう.臨床症状としては,微小血栓多発のため,消費性凝固障害と線溶亢進による出血症状,および諸臓器の循環障害による臓器症状を呈する.
 妊娠時にはほとんどの血液凝固因子は増加し,血液は凝固亢進状態を呈するようになる.産科DICの特徴は,大出血に併発または続発することが多く,胎盤や羊水などの外因系組織トロンボプラスチンが血管内に流入して発生することがあるために,急性経過をとることが多い点である.産科DICの特徴を表11)に示す.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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