文献詳細
今月の臨床 Obstetrics is a bloody business
分娩時出血の診断・治療のポイント
文献概要
はじめに
分娩時の血腫は自然に発生することもあるが,会陰切開,鉗子分娩,吸引分娩などが発生のリスク因子となる.分娩時血腫は外陰部血腫,腟血腫,後腹膜血腫に分類される.外陰部血腫では主として陰部動脈の分枝が,腟血腫では子宮動脈の下行枝が破綻している.また腟の上部の血腫で,出血が持続すると血腫が後腹膜を解離しつつ上方へ増大・伸展して後腹膜血腫を形成する1).分娩時の血腫では,頭で推定している以上に出血量が多いことがしばしばあり,ショックに陥り,致命的となる場合もある.本稿ではこれら急性期の血腫について解説するとともに,典型的かつ教訓的な自験例を紹介する.
分娩時の血腫は自然に発生することもあるが,会陰切開,鉗子分娩,吸引分娩などが発生のリスク因子となる.分娩時血腫は外陰部血腫,腟血腫,後腹膜血腫に分類される.外陰部血腫では主として陰部動脈の分枝が,腟血腫では子宮動脈の下行枝が破綻している.また腟の上部の血腫で,出血が持続すると血腫が後腹膜を解離しつつ上方へ増大・伸展して後腹膜血腫を形成する1).分娩時の血腫では,頭で推定している以上に出血量が多いことがしばしばあり,ショックに陥り,致命的となる場合もある.本稿ではこれら急性期の血腫について解説するとともに,典型的かつ教訓的な自験例を紹介する.
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