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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科55巻6号

2001年06月発行

今月の臨床 Obstetrics is a bloody business

分娩時出血の診断・治療のポイント

6.弛緩出血

著者: 庄野真由美1 庄野秀明2 岩坂剛1

所属機関: 1佐賀医科大学産婦人科学教室 2佐賀医科大学附属病院医療情報部

ページ範囲:P.722 - P.725

文献概要

はじめに
 厚生省の統計によるとわが国の出生10万対の妊産婦死亡率は,1950年には176と非常に高率であったが,その後は急速な低下がみられ,1989年以降は10をきるようになった.現在は6〜7を推移しほぼ横這いの状態である1).一方,死亡原因でみると出血性ショックの占める割合が最も多く40%近くを占め,その内訳は1位:子宮破裂(18.9%),2位:弛緩出血(14.9%),3位:常位胎盤早期剥離(13.5%)の順2)であり,弛緩出血は妊産婦死亡の原因として重要な疾患であることがわかる.
 弛緩出血は全分娩の5〜10%に起こるとされ3),日常診療において遭遇する可能性が比較的まれではない.あらかじめ発症が予測される症例も含まれるが,予知が困難な場合も多く,時間経過が患者救命の鍵となるため,産科医は常に本疾患に遭遇することを想定し,その処置に熟知しておく必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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