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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科55巻7号

2001年07月発行

文献概要

今月の臨床 排卵誘発の問題点—新しい工夫と対策 排卵誘発 A.クロミフェン

3.他剤との併用療法

著者: 後山尚久1

所属機関: 1大阪医科大学産婦人科

ページ範囲:P.766 - P.773

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はじめに
 クロミフェン(clomiphene citrate:Clomid®)は1961年にGreenblattらによりその卵胞成熟刺激効果が報告され,以来,経口排卵誘発剤として無排卵周期症と第一度無月経例に第一選択薬として広く用いられており,男性不妊症にも用いられる1〜4).クロミフェンはstilbestrolの誘導体であり,弱いエストロゲン作用を有する.しかし,卵胞成熟作用は,むしろこの薬剤の有する抗エストロゲン効果が主役となることが知られている.一般的には,クロミフェンはエストロゲンの存在下で抗エストロゲン作用としての効果が発揮され,ゴナドトロピンの放出が促進すると考えられている1,5)
 クロミフェンは,原発性無月経や第二度無月経例には効果がきわめて低いが,無排卵周期症の80〜87%,第一度無月経の60〜70%に排卵が得られることが諸家の報告により知られており2,3,6),自験例においてもそれぞれ85%および73%の排卵成績を得ている.残りの3割程度の無月経症例はクロミフェンに抵抗を示すため,これらの症例の取り扱いが重要な課題である.また,抗エストロゲン効果により頸管粘液不全や子宮内膜萎縮,あるいは黄体機能不全が惹起されることがあり5,7〜11),不妊症患者では治療に苦慮する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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