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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科55巻7号

2001年07月発行

今月の臨床 排卵誘発の問題点—新しい工夫と対策

排卵誘発 B.ブロモクリプチン,テルグリド

1.副作用対策

著者: 綾部琢哉1 森宏之1

所属機関: 1帝京大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.774 - P.775

文献概要

下垂体ドパミン作動薬
 1.麦角アルカロイド
 高プロラクチン血症に対する薬物療法として現在用いられているのは,下垂体ドパミンD2受容体に結合してプロラクチン分泌を抑制するものである.今日,臨床的に汎用されているドパミン作動薬はブロモクリプチンとテルグリドであるが,いずれも麦角アルカロイドである.麦角アルカロイドはリゼルグ酸を骨格として持ち,その骨格や側鎖を修飾することにより得られる誘導体はさまざまな作用をもつ1).これはそれら誘導体の基本構造がノルアドレナリン,ドパミン,セロトニンなどの生体アミンの構造と類似性をもつため,それらの受容体と結合し,作動薬,部分作動薬,拮抗薬などとして作用するためであると考えられる.たとえば,エルゴタミンやエルゴトキシンは強力な平滑筋刺激薬で血管・子宮を収縮させ,α受容体を遮断する.ジヒドロエルゴタミンは片頭痛や起立性低血圧の薬剤として,ジヒドロエルゴトキシンは脳循環改善薬として,メチルエルゴメトリンは子宮収縮薬として,それぞれ臨床応用されており,LSDは向精神作用を有する.近年,ドパミンやセロトニンはヒトのさまざまな情動の発現に関与していることも知られるようになった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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