icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科55巻7号

2001年07月発行

今月の臨床 排卵誘発の問題点—新しい工夫と対策

排卵誘発 C.hMG-hCG

1.OHSSの予防 1)GnRH,LHによる卵胞破裂(排卵)促進

著者: 福岡秀興1 大石ひとみ1

所属機関: 1東京大学大学院医学系研究科国際生物医科学

ページ範囲:P.780 - P.784

文献概要

はじめに
 不妊治療に排卵誘発が積極的に行われているが,hMG-hCGによる排卵誘発法には,多胎妊娠・流産の高いことなど多くの副作用がある.特に問題となるのは卵巣過剰刺激症候群(OHSS)であり,発症頻度は高く,時に致死的な症状を呈する.4〜5年前は入院加療が必要な重症のOHSSは6.2%前後だったが,2000年に7.0%となり,入院加療患者数は年間1万人を超え,重篤なOHSSの患者数は増えると予想される.死亡例,脳血栓,脳梗塞その他が報告されており,平成8年には,現行のhMG-hCG療法では血栓塞栓症,脳梗塞などを伴う重篤なOHSS発症の危険性があるという緊急安全情報が出された.“如何なる排卵誘発法であっても,OHSSは発症し得るものであり,その発症の予見は不可能である1)”とすら言われ,その予防は最重要課題の一つである.OHSSの発症を低く抑えることが期待される新しい排卵誘発法としてLH,GnRH(パルス療法)およびGnRHantagonistが注目されており,この3つを紹介したい.また人尿由来LHの特性をhCGと比較して,臨床応用の可能性についても言及したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら