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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科55巻7号

2001年07月発行

今月の臨床 排卵誘発の問題点—新しい工夫と対策

排卵誘発 D.卵巣への外科的治療

1.多嚢胞性卵巣(PCOS)に対する腹腔鏡下レーザー療法

著者: 森田峰人1 中熊正仁1 平川舜1

所属機関: 1東邦大学医学部第1産婦人科

ページ範囲:P.800 - P.802

文献概要

はじめに
 多嚢胞性卵巣症候群(polycystic ovary syn—drome:PCOS)は,不妊症診療上でしばしば遭遇する疾患であり,その病態としては月経異常,多毛,肥満を呈し,血中LH高値と多数の小嚢胞を含む卵巣形態が特徴である.代表的な排卵障害疾患であり,主訴の多くは排卵障害に基づく不妊である.
 本疾患の排卵誘発法は,クロミフェン(clomi—phene citrate:CC)による卵巣刺激が第一選択となる.CC療法無効症例に対しては,humanmenopausal gonadotropin(hMG)が適応となる.CCによる排卵誘発の効果は67〜76%で,妊娠率は33〜93%とややばらつきがあり,流産率が40%と高率である.hMGによる排卵誘発効果は75〜95%と高率であるが,妊娠率は平均28%(21〜65%)と低率で,流産率や多胎妊娠率が高いだけでなく,副作用としての卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の発症率が高く,PCOSの薬物療法には限界があることを示している(表1)1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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