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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科55巻7号

2001年07月発行

文献概要

今月の臨床 排卵誘発の問題点—新しい工夫と対策 排卵誘発 D.卵巣への外科的治療

2.チョコレート嚢胞への処置

著者: 原田省1

所属機関: 1鳥取大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.804 - P.805

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卵巣チョコレート嚢胞の外科治療
 卵巣チョコレート嚢胞を合併した子宮内膜症の治療法としては,薬物あるいは外科治療が考えられる.ダナゾールあるいはGnRHアナログによる薬物療法によって疼痛症状などは一時的に軽快し,嚢胞径の縮小もみられるが,チョコレート嚢胞が消失することはない.したがって,卵巣チョコレート嚢胞に対する治療の主体は外科治療ということになる.チョコレート嚢胞は20歳代から30歳代に好発することから卵巣摘出が選択されることは少なく,卵巣温存が必要な症例が多い.
 外科的治療としては,腹腔鏡下あるいは開腹による嚢胞摘出術,開窓と嚢胞壁の焼灼術,超音波ガイド下内容吸引とアルコール固定術などがあげられる(表1).腹腔鏡下嚢胞摘出術と開窓による嚢胞壁焼灼術を無作為に割り付け比較した研究成績では,術後24か月の累積の疼痛症状再発率と妊娠率は嚢胞摘出術で有意に良好であった1).超音波ガイド下内容吸引後のアルコール固定術は本邦のみで行われている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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