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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科55巻7号

2001年07月発行

文献概要

今月の臨床 排卵誘発の問題点—新しい工夫と対策 IVF-ET

2.多胎妊娠の予防

著者: 小林真一郎1

所属機関: 1生長会府中病院不妊センター

ページ範囲:P.812 - P.815

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はじめに
 近年,体外受精胚移植(IVF-ET)や顕微授精(ICSI)施行施設の増加およびそれらによる妊娠率の向上に伴い,多胎妊娠が増加してきている.生殖補助技術が進歩,向上していくことは不妊症の患者にとっては望ましいことではあるが,多胎妊娠,特に品胎以上は母体や出生児に伴うリスクを考慮すると極力避けなければならない課題である.1996年に日本産科婦人科学会は移植する胚の数を3個以内とする会告を発表し,われわれもそれを遵守してきた.しかしながら,当施設では卵胞刺激1),培養方法,顕微授精の手技や胚移植法など種々の改善2)により,年々妊娠率の向上とともに多胎率も増加し,1998年には品胎妊娠数は年間6症例(妊娠症例あたり約3%)となった.移植する胚の数を3個にしているかぎり品胎の発生は避けられず,品胎予防のためには移植する胚の数を2個に制限しなければならない.従来4〜8分割の胚を3個移植していたが,4〜8分割胚を2個に制限すればそれらの着床率から推測すれば妊娠率は低下するであろうと予測された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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