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今月の臨床 遺伝子医療—現況と将来 出生前の遺伝子診断
1.遺伝子診断の対象疾患
著者: 奥山和彦1 藤本征一郎2
所属機関: 1北海道大学医学部附属病院周産母子センター 2北海道大学大学院医学研究科生殖・発達医学講座婦人科学分野
ページ範囲:P.860 - P.862
文献購入ページに移動近年,遺伝性疾患の分子生物学的解析の進展には目を見張るものがある.McKusickのカタログ1)でみるとその収録された遺伝性疾患は1994年の6,677から1998年には8,500を超え,OMIM(Online Mendelian Inheritance in Man)では現在12,698の疾患が登録され,そのうち7,170の遺伝子座が明らかになっている(表1).このような分子遺伝学の進歩ならびに遺伝性疾患に関する情報の一般化により,産婦人科の臨床でも,現在進行中の妊娠の出生前診断を求めて受診する夫婦に加えて,次回の妊娠あるいは今後の挙児に関して相談に訪れる夫婦が増加してきていると思われる.しかし,出生前診断遺伝子診断には,当該疾病とその責任遺伝子との関連が十分に解析され診断方法が確立されていること,なかでも診断を希望する夫婦が保因している異常について解析されていることが必要であり,診断が実施可能な疾患は非常に限られているのが現状である.
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