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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科55巻8号

2001年08月発行

今月の臨床 遺伝子医療—現況と将来

出生前の遺伝子診断

2.羊水検査による診断 1)代謝性疾患の遺伝子診断

著者: 左合治彦1 北川道弘1

所属機関: 1国立大蔵病院産婦人科

ページ範囲:P.864 - P.867

文献概要

はじめに
 代謝性疾患の代表格は糖尿病であり,インスリン異常症やインスリン受容体異常症など分子遺伝学的解析が進んでいるが,出生前診断の適応とはならない.出生前診断が関係する代謝性疾患は主に先天性代謝異常症であり,ここでは先天性代謝異常症の遺伝子診断について述べる.先天性代謝異常症は単一遺伝子病(メンデル遺伝病)の代表的な疾患であり,代謝酵素やその他の機能性蛋白の遺伝子に異常がおこり,生体内の物質の代謝が障害されてさまざまな臨床症状を呈する.個々の疾患の頻度は稀であるが,疾患数は多く,臨床症状や診断法,治療方法および予後は多彩であり,専門家以外には取り組みにくい疾患群である.近年の分子遺伝学の急速な進歩により,先天性代謝異常症の多くの疾患で責任遺伝子が同定され,遺伝子診断が出生前診断に臨床応用されはじめている1).先天性代謝異常症の出生前遺伝子診断について概説するとともに,その遺伝カウンセリングや問題点についても言及したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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