文献詳細
今月の臨床 遺伝子医療—現況と将来
出生前の遺伝子診断
文献概要
はじめに
出生前の遺伝子診断においては,何らかの胎児由来の細胞もしくは遺伝子そのものを採取してくる必要がある.その方法としては,現在主として羊水穿刺,絨毛採取,もしくは胎児採血が用いられており,これらにより胎児由来細胞が採取されるが,これらの方法は母児に対して侵襲的であるという欠点を持っている.これに対して,妊娠中生理的に母体血中に存在する胎児由来の有核細胞や母体血漿中の胎児DNAを用いて出生前の遺伝子診断を行う方法が,母児,特に児に対して全く侵襲がないことから,近年非常に注目されている1,2).
本稿では,このうち母体血中の胎児由来の有核細胞を用いた遺伝子診断について簡単に述べてみたい.なお,母体血漿中胎児DNAを用いた遺伝子診断については別稿を参照していただきたい.
出生前の遺伝子診断においては,何らかの胎児由来の細胞もしくは遺伝子そのものを採取してくる必要がある.その方法としては,現在主として羊水穿刺,絨毛採取,もしくは胎児採血が用いられており,これらにより胎児由来細胞が採取されるが,これらの方法は母児に対して侵襲的であるという欠点を持っている.これに対して,妊娠中生理的に母体血中に存在する胎児由来の有核細胞や母体血漿中の胎児DNAを用いて出生前の遺伝子診断を行う方法が,母児,特に児に対して全く侵襲がないことから,近年非常に注目されている1,2).
本稿では,このうち母体血中の胎児由来の有核細胞を用いた遺伝子診断について簡単に述べてみたい.なお,母体血漿中胎児DNAを用いた遺伝子診断については別稿を参照していただきたい.
掲載誌情報