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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科55巻9号

2001年09月発行

文献概要

今月の臨床 子宮外妊娠—新しい視点から 総論

3.子宮外妊娠の治療法の変遷と展望

著者: 岩下光利1

所属機関: 1杏林大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.979 - P.981

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子宮外妊娠診断法の進歩
 子宮外妊娠の大半を占める卵管妊娠は近年増加傾向にある.その理由として,クラミジア感染症の蔓延,IUDの使用,生殖補助医療の普及などが挙げられているが,いままで発見されずに自然治癒していた卵管妊娠が,診断法の進歩により診断されるようになったことも子宮外妊娠増加の一因となっている.子宮外妊娠の診断の進歩は治療の選択肢を広げ,保存療法にも道を開いた.
 そんな診断法の進歩の中で,真っ先に上げなければならないのは超音波断層法,なかでも経腟超音波断層法の導入である.超音波断層法が導入される以前は,多くの子宮外妊娠患者が卵管破裂による急性腹症の形で入院してきた.経腟超音波断層法の導入により,子宮内胎嚢の有無が確認できるようになった結果,少なくとも卵管妊娠が進行して卵管破裂に至る前に,その疑いを持つことができるようになった.もちろん,稽留流産や最終月経から計算した妊娠週数と実際の妊娠週数とのずれなど,子宮外妊娠以外でも子宮内腔に胎嚢が見られないことはあるが,卵管破裂を起こす前に子宮外妊娠を疑うことができるようになったことは以後の保存的治療法に道を開くものである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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