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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科56巻1号

2002年01月発行

今月の臨床 女性内科的アプローチ—循環器系を中心に

女性と高脂血症

4.高脂血症の治療—コレステロールはどこまで下げればよいか

著者: 山田信博1

所属機関: 1筑波大学臨床医学系内科

ページ範囲:P.29 - P.31

文献概要

はじめに
 虚血性心疾患のみならず脳血管障害の発症の基礎には粥状動脈硬化症の存在が重要と考えられている.最近では心血管イベント発症におけるプラーク破綻が重要な病態として位置付けられ,高脂血症の果たす役割が種々の大規模介入試験を通じて明確となりつつある.最近の大規模介入試験によれば,特に高LDL血症,高中性脂肪血症や低HDL血症治療の意義が虚血性心疾患の一次予防や二次予防において明らかにされている1〜3)
 血漿(血清)脂質レベルは,栄養条件や地域差などに大きく影響を受け,一般的な正常範囲を決めることは必ずしも容易ではない.しかし,疫学的調査などより“将来,動脈硬化症などの合併症の発生を促進させない脂質レベルの上限値”として正常上限を定めることは可能であり,現在,わが国では空腹時のコレステロール220mg/dl,トリグリセリド150mg/dlをもって上限とし,HDLコレステロール値40mg/dlを下限とする診断基準値が設定されている.高脂血症の診療ガイドラインでは高LDL血症,高中性脂肪血症や低HDL血症が規定され,atherogenicリポタンパクとして,LDLの意義が強調されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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