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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科56巻1号

2002年01月発行

今月の臨床 女性内科的アプローチ—循環器系を中心に

女性と循環器疾患

3.虚血性心疾患

著者: 佐久間一郎1 北畠顕1

所属機関: 1北海道大学大学院医学研究科循環病態内科

ページ範囲:P.44 - P.47

文献概要

はじめに
 女性は正常性周期の存在する間はエストロゲンの作用により動脈硬化の進展が抑えられ,その結果,虚血性心疾患の発症が男性より15〜20年遅れる.しかし,虚血性心疾患の発症率は閉経を期に徐々に増加し,70〜80歳代となると男性とほぼ同率となる.一般に,虚血性心疾患発症の危険因子としては,年齢,家族歴の他,喫煙,肥満,高血圧,糖尿病や高脂血症などが挙げられるが,前二者を除いた後者が生活習慣に深く関連した因子であり,特に比較的若年で心筋梗塞を発症した女性においては「metabolic syndrome X」が重要な誘因となる.また,閉経後女性に多い疾患として「coronary syndrome X」がある.この疾患には抗うつ薬が効果を示すことがあり,その病因には閉経によるエストロゲンの欠落が関与する可能性がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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