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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科56巻10号

2002年10月発行

今月の臨床 不妊診療のピットフォール

治療のピットフォール

4.卵管形成術の選択

著者: 長田尚夫1

所属機関: 1駿河台日本大学病院産婦人科

ページ範囲:P.1235 - P.1239

文献概要

はじめに
 卵管性不妊を取り巻く生殖医学は,この25年間にさまざまな治療法が開発され著しい進歩を遂げた.すなわちマイクロサージェリーによる卵管形成術(1976年),体外受精による胚移植法(1978年,以下,IVF-ETと略す),腹腔鏡下卵管形成術(1982年)ならびに卵管鏡下卵管形成術(1985年)1,2)などである.しかし今日,IVF-ETの普及によって卵管性不妊の多くがIVF-ETの適応にされている現状から,不妊治療のあり方を改めて見直す必要性にせまられている.
 マイクロサージェリーに代表される卵管形成術は,今日の低侵襲手術(minimally invasive surgery:MIS)である腹腔鏡下手術の登場によって,多くが腹腔鏡下卵管形成術によって行われている.腹腔鏡下卵管形成術は,開腹術によるマイクロサージェリーと同様,小型の鉗子,電気メスなどを用いて手術を行うことから,ラバロスコピックマイクロサージェリーともいわれている.本法は,必然的に卵管形成術の基本的事項を備えているばかりでなく,MISとしての多くの利点(小切開,短期入院,早期社会復帰)があることから,患者に受け入れやすい卵管性不妊の治療法として普及することが期待される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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