icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科56巻11号

2002年11月発行

今月の臨床 更年期・老年期医療のピットフォール

診断・治療におけるピットフォール

3.アルツハイマー病

著者: 大藏健義1

所属機関: 1獨協医科大学越谷病院産科婦人科

ページ範囲:P.1332 - P.1335

文献概要

はじめに
 更年期の女性では,40歳代後半から物忘れを訴える頻度が増してくる.この時期の物忘れは,大部分は正常な老化の範囲内であるが,日常生活や社会活動あるいは職業的機能に支障をきたすようだと問題とされ,痴呆の初期と鑑別しなければならない.老年期の痴呆は,アルツハイマー病(Alzheimer�s disease:AD)と脳血管性痴呆(vascular dementia:VD)とに大別される.わが国では従来,ADよりもVDの割合が高いと報告されてきた.しかし最近の報告1)ではADの割合が増加してきて,60歳以上の女性の痴呆ではADが51.7%,VDが24.6%であり,欧米での割合とほぼ同じになってきている.一方,男女比ではわが国だけでなく欧米でもADは女性に多く発病し,発生率は男性の1.7〜3倍と報告されている.また,女性におけるADの発症は卵巣からのエストロゲン分泌の永久的停止(閉経)との関連が深いことが指摘されている.
 本稿では,ADの診断と治療におけるピットフォールについて,日常診療を年頭におきながら概説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら