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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科56巻11号

2002年11月発行

今月の臨床 更年期・老年期医療のピットフォール

診断・治療におけるピットフォール

9.高脂血症の診断

著者: 若槻明彦1

所属機関: 1高知医科大学産婦人科

ページ範囲:P.1361 - P.1365

文献概要

はじめに
 心血管疾患(CVD)の危険因子には高脂血症,高血圧,喫煙,糖尿病,重度の肥満などがあるが,なかでも高脂血症の存在はCVDの発症と密接に関連する.CVDの発症は男女とも経年的に増加し,50歳以前では男性が高率で推移するが,それ以後,女性の頻度が急増し,70歳代でほとんど差がなくなる1).総コレステロール(TC)の経年的推移をみると,50歳前では男性が高値で推移するが,それ以後,逆に女性が高値となる.高比重リポ蛋白—コレステロール(HDL-C)は男女共に50歳頃まで変化することなく推移し,それ以後若干低下する,一方,中性脂肪(TG)も30歳頃より上昇し,60歳頃でピークを示す2),これらの脂質濃度の変化により.閉経後のエストロゲン濃度の急激な低下がTCやTGの上昇をきたし,CVDの発症に結びつくと考えられる.したがって,CVDの発症予防という観点から,閉経後高脂血症の診断が重要となる.この稿では,高脂血症の診断基準や分類,さらには閉経後高脂血症の頻度やその機序について概説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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