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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科56巻11号

2002年11月発行

文献概要

今月の臨床 更年期・老年期医療のピットフォール 診断・治療におけるピットフォール

10.高脂血症の治療

著者: 大濱紘三1 真田光博1

所属機関: 1広島大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.1366 - P.1371

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はじめに
 血清脂質にはコレステロール,中性脂肪,リン脂質などがあり,これらはいずれも疎水性で,そのままでは血液に溶けないため親水性の蛋白(アポ蛋白)と結合したリポ蛋白の形で存在している.リポ蛋白はその組成の違いにより粒子の大きさや比重が異なり,大きさの順にカイロミクロン,超低比重リポ蛋白(VLDL),低比重リポ蛋白(LDL),中間比重リポ蛋白(IDL),高比重リポ蛋白(HDL)などに分けられる.コレステロールは体内では細胞膜の形成,ステロイドホルモンの産生,胆汁酸の生成のための原料として利用される.中性脂肪(TG)はグリセリンと脂肪酸が結合した脂質で,分解されて遊離脂肪酸となり,エネルギー源として利用される,血清脂質の値は肝臓における脂質の産生と血中への放出,血中でのリポ蛋白リパーゼによる分解,末梢組織への取り込み,末梢組織から肝臓への逆転送,肝臓への取り込みなどによって調節されているが,これが異常に増えた状態を高脂血症という.高脂血症にはコレステロールだけが高値になるもの(高コレステロール血症),中性脂肪だけが高値になるもの(高トリグリセライド血症),両方が高値を示すものがある.虚血性心疾患をはじめとする心・血管系疾患は動脈硬化を基盤として発生することが多く,動脈硬化の危険因子としては高脂血症が第一に挙げられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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