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CURRENT RESEARCH
双胎間輸血症候群における胎盤血管吻合—内視鏡による観察
著者: 村越毅12
所属機関: 1聖隷浜松病院総合周産期母子医療センター・産科 2Florida Institute of Fetal Diagnosis and Therapy, St.Joseph's Women's Hospital
ページ範囲:P.1382 - P.1387
文献購入ページに移動双胎間輸血症候群(twin-twin transfusion syndrome:TTTS)は,一絨毛膜双胎において胎盤での血管吻合を通じ両児間に血流移動のアンバランスが生じて起こる疾患と考えられている.供血児は「貧血,低血圧,乏尿,羊水過少,発育不全,腎不全」を主症状とし,受血児は「多血,高血圧,多尿,羊水過多,胎児水腫,心不全」を主症状とする.中期発症の重症型では,無治療での周産期死亡率はほとんど100%とされている.吻合血管による血流移動が主原因であることから,1990年にDe Liaら1)により内視鏡による胎盤吻合血管のレーザー焼灼術が初めて報告され,1995年にDe Liaら2)およびVilleら3)により治療成績が報告された.その後Quinteroら4)による選択的吻合血管焼灼術により技術的に治療法が確立し,現在では羊水除去に比較してmortalityおよびmorbidityともに良好な成績で報告されている5,6).本邦では,1992年に名取ら7)が第1例を報告したが,その後の報告はない.
今回,われわれはFlorida Institute of Fetal Diagnosis and Therapy,St. Joseph's Women's Hospitalでの臨床データをもとに,内視鏡によるTTTSの観察において,吻合血管の数,種類,特徴につき検討したので報告する.
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