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今月の臨床 分娩の多様化とリスク管理 分娩様式とリスク管理
9.無謀なバースプランへの対応
著者: 前田光士1 平野孝幸1 小林信一1
所属機関: 1東京都立荏原病院産婦人科
ページ範囲:P.1456 - P.1459
文献購入ページに移動バースプランは最近,わが国でもいわゆる大きい総合病院においても取り入れられてきている.しかしこの場合でのバースプランの作成は患者自身が主体ではなく,助産師が作成を援助する形式が多いと思われ,医師の指導は比較的少ないと想像される.一方,診療所の場合は医師が関与する場合が多く,診療所の院長の信念と技量が反映されることもあり,医学的見地からの指導がなされると思われる.いずれにしろバースプランの作成は分娩に臨むにあたり,妊産婦がいかにして満足のいく分娩をまっとうすることが可能かを検討するのに非常に良い方法である.また産婦人科スッタフたちと診療状態,形式と方法や病棟(陣痛室,分娩室)を妊娠中に妊産婦に紹介することができるので,入院してからのオリエンテーションにおいても,患者自身の分娩経過状態の理解もスムーズになるという点で,バースプラン作成が妊産婦の医学的啓蒙ができる良い方法と考えられる.特に医療スタッフたちとのコミニケーションを作るのに最適と考えられる.
一方,妊産婦側は,診療情報が氾濫していて誤った知識を得ていたり,通院中の施設は偶発症に対して適切な処置を望めるのかなどの不安を抱きながらの受診であったりすることがある.さらに現代,わが国の社会が少産・少子の傾向が進んでいることもあり,妊産婦が分娩に関して,より自然で,個別化し,助産師の指導,医師の指導を特に自分自身に望む感が否めない.
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