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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科56巻12号

2002年12月発行

症例

Pseudo-Meigs症候群を呈した卵巣明細胞腺癌の1例

著者: 吉本英生1 小林寛人1 谷村悟1 中川俊信1 川原領一1 増田信二2

所属機関: 1厚生連高岡病院産婦人科 2厚生連高岡病院病理科

ページ範囲:P.1481 - P.1483

文献概要

 Meigs症候群は(1)原発腫瘍は充実性の卵巣腫瘍(線維腫,莢膜細胞腫,甲状腺腫,ブレンナー腫瘍),(2)腹水を伴う,(3)胸水を伴う,(4)腫瘍の摘出により胸水と腹水が消失し再貯留しない症例,のすべてを満たす症例と定義される.一方,pseudo-Meigs症候群は原発腫瘍を問わず,上記の(2)(3)(4)を満たす症例と定義される.今日までpseudo-Meigs症候群は多数報告されているが,卵巣悪性腫瘍に合併したpseudo-Meigs症候群の報告は少なく,なかでも卵巣明細胞腺癌の報告はない.今回われわれは,胸水のために呼吸苦を訴え,意識消失発作を起こし搬送され,卵巣悪性腫瘍のterminal stageを疑いつつも開腹手術を施行し,術後,劇的に胸水が消失した卵巣明細胞腺癌によるpseudo-Meigs症候群の1症例を経験した.
 術後6か月経過した現在,CPT−11とマイトマイシンCの静脈内投与による術後化学療法を行っているが,再発徴候は認められていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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