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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科56巻12号

2002年12月発行

症例

腟式子宮全摘術を施行し得た780 gの頸部筋腫を伴った総量1,130 gの子宮筋腫の1例

著者: 佐藤賢一郎1 水内英充2 笠井裕子3 実藤洋一3 塚本健一4 藤田美悧4

所属機関: 1新日鐵室蘭総合病院産婦人科 2みずうち産科婦人科 3みずうち産科婦人科麻酔科 4みずうち産科婦人科病理・臨床検査室

ページ範囲:P.1485 - P.1489

文献概要

 今回われわれは,腟式子宮全摘術を施行し得た780 gの頸部筋腫を伴った総量1,130 gの子宮筋腫の1例を経験した.症例は,49歳,5経妊・4経産で,過多月経,不正性器出血,下腹部痛,腹部腫瘤触知の主訴で受診した.血色素3.6 g/dlで、臍上に及ぶ腹部腫瘤を触れ,腟鏡診で腟内に大きな腫瘤が突出し子宮頸部は不明であった.貧血の改善を待って腟式子宮全摘術を試みた.まず,分割切除による頸部筋腫の核出を行ったところ,弛緩,膨化した子宮頸部が認められるようになり,その後は基靱帯の無結紮切断法により子宮全摘出術を施行し得た.手術時間は95分,総出血量は1,000 mlであった.
 頸部筋腫の腟式子宮全摘術に関しては,最初に筋腫核出を施行することで手術可能で,ある程度の出血量を覚悟しなければならないが,低侵襲性や腹部に切開創が残らないなどの利点は捨てがたいものがあり,症例により選択に値するものと思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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