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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科56巻2号

2002年02月発行

今月の臨床 産婦人科と糖尿病—基礎知識と実地臨床

妊娠と耐糖能異常

2.胎盤の糖輸送

著者: 岩下光利1

所属機関: 1杏林大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.135 - P.137

文献概要

胎盤における物質輸送
 胎児は母体からの栄養に100%依存しており,母体側の栄養物質は胎盤を介して胎児側に輸送される.胎盤には種々の物質の輸送機構が存在し,胎盤のこの機能が障害されると母体の栄養状態のいかんにかかわらず胎児発育は抑制される.
 ヒトの胎盤は血絨毛性胎盤で胎児側の組織である絨毛は直接に母体の血液に接しており,胎児血液との間には絨毛上皮細胞,結合組織,胎児側の血管内皮細胞が存在している.したがって母体側から胎児側また逆方向に物質が輸送されるにはこれらの細胞層を通過する必要がある.この絨毛上皮細胞の母体血に面する側は小腸上皮,尿細管上皮刷子縁と同様に微絨毛構造を有しており,この部位に物質輸送のための特異的な膜輸送機構が存在している.胎盤絨毛上皮細胞の物質輸送様式は他の細胞と同様に,単純拡散,促進拡散,能動輸送,ピノサイトーシスなどの物質通過機構の存在が証明されている.以下にそれぞれの輸送機構の概略を説明する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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