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今月の臨床 子宮筋腫—最近の話題
子宮筋腫の発生・増殖機構に関する最新情報
著者: 刈谷方俊1 藤井信吾1
所属機関: 1京都大学医学部婦人科学産科学教室
ページ範囲:P.228 - P.233
文献購入ページに移動はじめに
子宮筋腫は40代の女性で1/3〜1/4が罹患しているといわれるように,極めて高頻度に発生する良性腫瘍である.過多月経などの症状から治療を要する場合も多く,近年は子宮動脈塞栓術などの新しい治療法も開発されてきたが,子宮全摘術などの手術療法が行われる場合も多い.これらの治療に要する医療費は極めて大きなものであり,今後はより効率的で費用のかからない治療法の開発が必要である.その新しい治療法の開発のためには,子宮筋腫の発生機序や増殖機序の解明が重要である.しかし,子宮筋腫が,産婦人科医にとって日常的な疾患でありながら,その発生・増殖機構については性ホルモン依存性などのいくつかの生物学的特性が明らかとなっているものの,未だその全容は明らかになっていない.本稿では近年の子宮筋腫の発生・増殖機構についての情報のもとで,その概説を行い,あわせてわれわれの仮説も紹介した.子宮筋腫の発生・増殖機構の現状の把握の一助となれば幸いである.
子宮筋腫は40代の女性で1/3〜1/4が罹患しているといわれるように,極めて高頻度に発生する良性腫瘍である.過多月経などの症状から治療を要する場合も多く,近年は子宮動脈塞栓術などの新しい治療法も開発されてきたが,子宮全摘術などの手術療法が行われる場合も多い.これらの治療に要する医療費は極めて大きなものであり,今後はより効率的で費用のかからない治療法の開発が必要である.その新しい治療法の開発のためには,子宮筋腫の発生機序や増殖機序の解明が重要である.しかし,子宮筋腫が,産婦人科医にとって日常的な疾患でありながら,その発生・増殖機構については性ホルモン依存性などのいくつかの生物学的特性が明らかとなっているものの,未だその全容は明らかになっていない.本稿では近年の子宮筋腫の発生・増殖機構についての情報のもとで,その概説を行い,あわせてわれわれの仮説も紹介した.子宮筋腫の発生・増殖機構の現状の把握の一助となれば幸いである.
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