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今月の臨床 子宮筋腫—最近の話題
子宮筋腫の鑑別診断—子宮腺筋症・子宮肉腫など
著者: 沖明典1 田中優美子2 吉川裕之1
所属機関: 1筑波大学臨床医学系産婦人科 2筑波大学臨床医学系放射線科
ページ範囲:P.234 - P.238
文献購入ページに移動子宮筋腫は産婦人科の日常診療において最も高頻度に遭遇する良性腫瘍である.かつては子宮筋腫の悪性化を考慮したり,卵巣腫瘍との鑑別が困難なことを理由に高頻度に開腹され,子宮摘出される傾向があったが,今日では子宮摘出せずにホルモン療法や子宮動脈塞栓療法といった内科的治療を行ったり,閉経期まで経過観察だけを行うことも多くなつた.また,外科治療を行う場合でも,晩婚化や出産年齢の上昇に伴い子宮温存を希望する患者の増加により筋腫核出術を行うことが増加し,それ以外の場合も月経困難症,月経過多,腹部圧迫症状など有症状のものの一部のみが子宮摘出の対象となっている.それゆえ管理法や治療法を選択する際に子宮筋腫と子宮肉腫,子宮腺筋症,卵巣腫瘍などとを正確に鑑別することが必要になってきた.
われわれ産婦人科医が日常診療において子宮筋腫と鑑別を要する疾患は,主に子宮もしくは子宮付近に発生する充実性腫瘤である.本稿では臨床的に子宮筋腫と鑑別が重要であると思われる疾患を挙げ,その中でも頻度と重要性から子宮腺筋症と子宮肉腫を中心として鑑別診断法を解説する.Metastasizing leiomyoma,leiomatosis Peri—toneum disseminata(LPD),intravenous lyomatosis,diffuse leiomatosisなどの特殊な子宮筋腫については,取り扱わないこととする.
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