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雑誌目次

雑誌文献

臨床婦人科産科56巻4号

2002年04月発行

雑誌目次

I 婦人科手術 1.開腹手術

1.単純子宮全摘術

著者: 塚原慎一郎 ,   水谷栄彦

ページ範囲:P.324 - P.328

はじめに
 単純子宮全摘術は,子宮筋腫,子宮内膜症,子宮頸部上皮内癌,子宮体癌,付属器腫瘍など婦人科疾患においてその適応は広く,婦人科手術の中でも最もその頻度が高いものである.この手術を円滑に行い,その合併症を十分に理解して周術期管理を行えることは,婦人科専門医としての最低限の条件の1つといってもよい.本稿では,その単純子宮全摘術における術中合併症および術後合併症について解説する.

2.子宮筋腫核出術

著者: 波多江正紀

ページ範囲:P.329 - P.333

はじめに
 子宮筋腫に対する手術は,卵巣嚢腫に並んで婦人科でもっともルーチンに行われる手術の一つであるが,その発生原因やハイリスクの患著の特定,若年者での発生の増加など,必ずしも十分にわかっていないまま,極めて多くの子宮筋腫に対する手術が対症療法として行われているのが現状である.過多月経や月経痛,あるいは妊娠成立の障害などを伴う場合,機能温存を目的にした筋腫核出術にいくつかの管理上の問題点を考慮しておく必要があると思われる.
 筋腫核出術は腫瘍摘出後の子宮の機能をできるだけもとのままに温存することを目的に行われる手技である.過多月経や月経困難症の症状改善を目的に実施されることもある.不妊症の原因が子宮筋腫以外のすべてが否定された場合も適応となることがある.すべての患者で筋腫核出術が適応となるわけではなく,未婚なのか既婚なのか,妊娠中か非妊娠時か,不妊症を伴っているのか,出生後の次なる妊娠に対して行われる筋腫核出術なのか,再手術として行われるのかなど状況によって手術の利点と欠点を判断する必要がある.機能温存として妊娠を主たる目的としている場合には,手術による二次的な不妊症や,次なる帝王切開の適応についても説明と同意が十分になされていなければならない.妊娠中の子宮筋腫に対する核出術の是非について,論議が再び起こっているような状況も昨今はある.

3.広汎性子宮全摘出術

著者: 西谷巌 ,   高村郁世

ページ範囲:P.334 - P.338

はじめに
 広汎性子宮全摘出術の場合は,とくに手術操作の基本となっている組織間,臓器間の層(Schicht)を誤ることなく正確に組織および臓器の間隙にクモの巣状に張っている粗糙結合組織に分け入り,圧排,剪断し,止血操作を繰り返しながら巧みにその間隙を拡張し,拡大していくことが肝要である.また,血管を損傷させたり破綻させないように努め手術野の汚染を避け,視野を確保しなければならない.この基本方針が結果として出血量を軽減し,手術所要時間を短縮することにつながる.ひいては,これが子宮周囲臓器の損傷を回避し,合併症の予防にもつながることになる.これらの手術手技について言及しながら術中,術後の合併症の問題についても述べたいと思う.

4.子宮奇形の形成術

著者: 牧野恒久

ページ範囲:P.340 - P.343

はじめに
 ヒトの子宮形態異常は,先天性と後天性子宮形態異常に大別されるが,本稿では先天性子宮奇形に対する子宮形成術についてまとめることにした.
 先天性の子宮奇形の大部分は,初経の年齢やそのあとの月経周期などにほとんど影響を及ぼさず,結婚後,自然流産を反復し精査の結果,はじめてその異常を指摘される場合が多い.したがって真の頻度については諸家の報告が一致しない.筆者は流産を反復する不育症の婦人1,120名のうち,1,000名に施行した子宮卵管造影像の中で147例(14.7%)に何らかの子宮内腔の形態異常を見出した1)

5.卵巣腫瘍摘出術,付属器摘出術

著者: 高山和人 ,   今野良

ページ範囲:P.344 - P.346

はじめに
 近年の内視鏡関連機器の進歩および医師の技術普及により,良性卵巣腫瘍のほとんどの症例は開腹手術ではなく腹腔鏡下手術によって行われている.しかし表1に示すような症例は開腹術を必要とし,開腹術に伴う合併症も報告されている.今回,開腹術による卵巣腫瘍摘出術,付属器摘出術に伴う合併症について述べたい.

6.卵管の手術

著者: 浅井光興 ,   野口昌良

ページ範囲:P.348 - P.353

はじめに
 卵管に対する手術療法としては,子宮外妊娠に対する卵管切開術・摘出術,卵管性不妊症に対する種々の卵管形成術,永久不妊手術としての卵管結紮術などがある,近年は腹腔鏡下手術の普及に伴い,これらの術式が開腹手術として行われる頻度は低くなってきており1),第24回を数えた産婦人科マイクロサージャリー学会も非侵襲的な手術操作を基本理念に残しながら日本生殖外科学会へと名称変更を行った.卵管は解剖学的には理解しやすい臓器であり,周囲癒着などがなければ術中にトラブルが起こる可能性は極めて低いが,卵管切開術や卵管形成術は妊孕性の温存・回復のための,卵管結紮術は妊孕性をなくす手術であり,いずれも術後にその機能を達成または消失しなければ手術が成功したとはいえない.すなわち,卵管切開術や卵管形成術後に妊娠しなかったり,卵管結紮術後に妊娠した場合は失敗であり,合併症といえる.

7.傍大動脈リンパ節郭清術

著者: 横田治重

ページ範囲:P.354 - P.359

はじめに
 婦人科悪性腫瘍の中でも,子宮体癌・卵巣癌においては,腎静脈レベル以下の腹部大動脈周囲リンパ節(以下,傍大動脈節)は所属リンパ節と考えられ,進行期によってはこの部位の郭清が基本術式の一部となっている.
 傍大動脈節郭清にかかわる腹部大動脈周囲の解剖は,婦人科医が以前から行ってきた骨盤リンパ節郭清に関係する骨盤内血管の立体的な解剖学と比べ,むしろ平面的で理解しやすいともいえるが,一方で婦人科医が日常操作している領域外であり,正確な知識が要求される.

2.腟式手術

1.腟式子宮全摘出術

著者: 寒河江悟 ,   工藤隆一

ページ範囲:P.360 - P.365

はじめに
 子宮を摘出する際の一術式である腟式子宮全摘出術は種々の利点を有しており,腹部切開創がないため腹壁瘢痕が欠如すること,術後の腸管癒着・腹膜炎あるいは腸閉塞は腹式手術より少ないこと,肥満した婦人にも容易に実施することができること,術後の創が小さいため痛みが軽度で,腹部の術創痛が無いこと,そのため治癒が早く入院期間が短いことなどが挙げられる.
 さらに,腟式子宮全摘出術は適応を考え手技に習熟すれば合併症の頻度が極めて少なく行える手術でもある.当科では少なくとも新入医局員のレベルでも習熟した指導者のもとで本手術が可能ならしめる指導を行っており,子宮摘出術における主要な位置を占めている手術である.ここでわれわれの術式を紹介しながら,いかに合併症を少なくできるかの工夫を種々述べ,不幸にも合併症が起きた場合の対策などを述べてみたい.

2.子宮頸部円錐切除術

著者: 佐藤重美

ページ範囲:P.366 - P.369

はじめに
 子宮頸部の円錐切除術は子宮頸部上皮内病変(CIN),初期頸癌の確定診断および子宮温存手術として行われる.その方法には従来からのコールドメス1,2)を用いる方法とレーザー(CO2,Nd:YAG)3,4)やループ型電極(loop electrosurgical excisional procedure:LEEP)5,6)などを用いる方法がある.これらの方法には表1に示したようにそれぞれ長所,短所があるが,最近ではレーザーやLEEPで行われるほうが多くなっている.しかしながら,円錐切除術による合併症はそのすべてがコールドメスによるものに含まれ,また,その手術手技にも左右される.表2に筆者が行っているコールドメスによる円錐切除術の方法を要約して示した.本稿では,コールドメスによる円錐切除術の合併症について述べ,その他の方法については補足的に述べる.

3.子宮脱の手術

著者: 高田眞一

ページ範囲:P.370 - P.375

はじめに
 子宮脱に対する外科的治療は,腟式手術が主流だが,腟式手術特有の問題点に加え,対象患者が高齢であるため,種々のリスクを考慮した術前・術後管理が求められる。ここでは,術中と術後約3週間の各々の時期において解説する.

4.子宮鏡下手術

著者: 林保良 ,   関賢一

ページ範囲:P.376 - P.380

はじめに
 近年子宮鏡の開発および手術手技の進歩で,従来開腹手術に頼らざるを得なかったような子宮腔内病変も容易に子宮鏡下手術(TCR)ができるようになった1).この方法は患者への侵襲が小さく,臨床効果もよいので次のような疾患の治療には主流の手段になりつつある.子宮鏡下手術の対象病変は,①粘膜下筋腫,②子宮内膜ポリープ,③子宮奇形,④子宮腔癒着症,⑤過多月経などである.しかし手術に伴う合併症もあり,術者がこれらの合併症を十分把握していなかったり,もしくは不注意のために,重篤な合併症を招くこともある.本稿では子宮鏡下手術の術中と術後の合併症について触れてみたい.

5.卵管鏡下手術

著者: 末岡浩

ページ範囲:P.381 - P.385

はじめに
 卵管鏡下卵管形成(falloposcopic tuboplasty:FT)システムの開発によって,卵管鏡を卵管内全域に挿入することが可能となり,卵管内腔の観察に加えて卵管通過障害の治療を同時に行うことができるようになった.それによって卵管機能の評価と治療に新たな指針が加わった.操作技術の習得が必要だが,高い卵管通過性回復成績を導き,体外受精と並列して位置付けられる低侵襲かつ有用性の高い治療法である.
 この技術開発によって,従来,あきらめかけてきた卵管機能の評価と治療に体外受精に代わる新たなトライアルの道を開いた.この機器によってもたらされたメリットは大きい.

6.腟奇形などの手術

著者: 田坂慶一 ,   池渕佳秀 ,   川岸里香子

ページ範囲:P.386 - P.391

はじめに
 腟は発生学的には尿生殖洞の内胚葉から形成され,線維性,筋性の腟腔はMüller管下方癒合部から発生する子宮腟原基から形成される.子宮腟原基では,はじめ左右の管を隔てる中隔が存在するがやがて消失し,1本の子宮腟管となる.腟の末端部のみは尿生殖洞の喚入に由来するといわれており,腟の上部4/5はMüller管,下部1/5は尿生殖洞が関与するといわれている(図1).
 腟の奇形の主なものは腟欠損,腟閉鎖,処女膜閉鎖,腟中隔,腟横隔膜,腟肛門などがある.

3.腹腔鏡下手術

1.腹腔鏡操作の注意点—合併症と偶発症などから

著者: 伊熊健一郎 ,   山田幸生 ,   牛越賢治郎 ,   呉佳恵 ,   山本尚子 ,   坂口健一郎 ,   小野利夫 ,   子安保喜

ページ範囲:P.392 - P.399

はじめに
 腹腔鏡下手術は,今や良性の婦人科疾患に対する標準術式になりつつある.その大きな理由は,従来法である開腹手術に比べて患者側には多くの利点のある手術方法だからと言えよう.しかしその一方では,従来法では起こり得なかった内容の合併症や偶発症に遭遇することも確かである1〜5).その危険性は,トロッカー挿入に始まり,鉗子や器具の操作においても,手術を終えた後においても,いろいろな工程でさまざまな形で待ち構えているのである.
 それでは,どのような事例が実際にあり,そのような事態を回避する方法にはどんなものがあるのだろうか.もしも,そのような場面に遭遇した場合には,どのように対処すればよいのだろうか.

2.子宮全摘術

著者: 梅本雅彦 ,   塩田充 ,   飛梅孝子 ,   星合昊

ページ範囲:P.401 - P.405

はじめに
 腹腔鏡下手術の普及は急速に進んでおり,当科でも例外ではない.2000年までの当科における子宮筋腫,子宮腺筋症に対する術式の変化をみると,腟式単純子宮全摘術(vaginal hysterectomy:VH)の件数に変化はないものの,腹式単純子宮全摘術(total abdominal hysterectomy:TAH)の件数は1999年度で22%,2000年度で26%まで減少し,腹腔鏡下腟式子宮全摘術(laparoscopi—cally assisted vaginal hysterectomy:LAVH)の件数は激増している(表1).
 しかしながらLAVHは従来から行われてきたVHやTAHとは異なり,腹腔鏡下手術特有の合併症をもたらす可能性がある.Johnsらは839例のLAVHの合併症を検討している.その結果,輸血を必要とするような術中・術後出血は5例,0.6%に,腸管,膀胱,尿管などの臓器損傷は9例,1.0%にみられたと報告している1).そこで本稿では,当科において経験したLAVHの合併症を中心に術中合併症と術後合併症に分けて述べる.

3.筋腫核出術

著者: 高橋俊文 ,   中原健次 ,   倉智博久

ページ範囲:P.406 - P.410

はじめに
 子宮筋腫は,婦人科良性疾患のなかで最も多く遭遇する疾患である.生殖年齢に好発するため,挙児を希望する場合は,妊孕性温存手術として子宮筋腫核出術が選択される.従来.開腹による筋腫核出術が行われてきたが,近年の内視鏡下手術の進歩により,腹腔鏡下子宮筋腫核出術が行われるようになってきた.しかし,腹腔鏡下子宮筋腫核出術を選択するには,十分な適応と縫合操作などの手技の習熟,起きうる合併症について理解する必要がある.本稿では.腹腔鏡下子宮筋腫核出術の概略を述べ,手術を行うにあたって,起こりうる合併症,合併症に対する対処法,合併症の予防に関して解説する.

4.付属器の手術

著者: 原鐵晃 ,   大濱紘三

ページ範囲:P.412 - P.417

はじめに
 付属器に対する腹腔鏡下手術は子宮に対する手術と比較して手技が容易なものが多く,重症の合併症を起こす頻度は4%程度で,子宮に対する手術の1/3から1/4程度である1,2)(表1).しかし,合併症の種類は子宮に対する手術と変わらず,また,合併症の重症度は術式の難易度とは無関係である.また,卵巣と卵管に対する手術であるため,挙児希望がある場合は妊孕性を損なわない千術を心掛けねばならず,腫瘍性病変の場合は,病歴や画像診断および腫瘍マーカにより悪性腫瘍との鑑別を術前に十分に行っておくことが大切である.
 また,重篤な合併症の1/3は腹腔鏡下に病変部の手術を開始する前に起こり,しかも1/4は術中に気づかない1).合併症を減少させ重症化させないためには,手術の準備段階と術後管理にも細心の注意を払うことが大切である.

5.子宮内膜症の手術

著者: 奥田喜代司 ,   佐伯理男 ,   井本広済

ページ範囲:P.419 - P.423

はじめに
 子宮内膜症は子宮内膜様組織が子宮以外の腹膜や卵巣などで増殖,出血を繰り返し,癒着や卵巣チョコレート嚢胞(以下,嚢胞)を形成する疾患である.これら病態が月経痛,月経時以外の腰・下腹部痛(骨盤内疼痛)や女性不妊症などに代表される臨床的症状を惹起する.一方,子宮内膜症の診断にはこれら臨床症状とともに,診察所見画像診断,腫瘍マーカーなどの補助診断法があるが,確定診断や重症度の判定には腹腔鏡検査が必須である.子宮内膜症に対する腹腔鏡下手術は診断後に直ちに処置を行えることから早くから発展し,本邦では1994年4月には保険適用になった.その後の機器の発展や手技の熟練により重症の子宮内膜症の症例に対しても腹腔鏡下手術を適応できる施設が増えてきた.
 われわれは子宮内膜症の症例に対して,まず嚢胞周囲の癒着を剥離した後に嚢胞摘出術を行い,その後に子宮と直腸S状結腸の癒着剥離や腹膜病巣の摘除(焼灼)を行う方法を行っている.本稿ではこれら処置に伴う合併症1,2)を中心にその予防や処置を述べる.

4.外陰手術

1.広汎性外陰切除術

著者: 嘉村敏治

ページ範囲:P.424 - P.427

はじめに
 本邦における外陰癌は欧米に比較するとまだ頻度が少ないが,HPVと密接に関係していると考えられており,若年者にも初期癌が発見されるようになってきた.
 浸潤癌の約90%は扁平上皮癌であり,その30%近くに鼠径リンパ節転移がみられる.鼠径リンパ節転移が陰性であれば80〜90%の5年生存率が得られるが,陽性であれば20〜50%に低下する1,2).原発部位から鼠径リンパ節までは大陰唇の皮下脂肪の中をメッシュ状に走るリンパ流に乗って癌細胞が運ばれる(図1).そこで外陰癌の手術では,原発巣とともに大陰唇の外側(labiocrural fold)で皮切を入れ筋膜に達する深さで外陰部を切除する(図2).また鼠径部の皮膚は切除する方法と切除しない方法がある(図3).鼠径リンパ節転移が疑われる場合は鼠径部の皮膚も含めて切除する.また下腹部の上前腸骨棘以下のCamper�s fasciaより深い皮下脂肪内に存在するリンパ管も脂肪組織と一緒に切除する.切除後は外陰皮膚と腟壁を一次的に縫合することが多い.

II 産科の手術・処置 1.妊娠中の手術・処置

1.子宮内容除去術・清掃術

著者: 竹村秀雄

ページ範囲:P.429 - P.435

はじめに
 妊娠初期の人工妊娠中絶や流産に対する治療のために行われる子宮内容除去術・清掃術(dilatation and curettage:以下,D&Cと略)は,産婦人科医にとって日常しばしば行われるものであり,通常短時間で終わることもあって,ともすれば安易に行われやすい.また患者側にとっても,日帰り手術,あるいは一泊程度の入院で済むため気軽に考えられがちである.それだけに,たまたま合併症が生じた場合にはトラブルになることも少なからず経験される.ここでは術中と術後に分けて,起こりうる合併症,チェックポイントと予防に必要な処置,合併症に対する処置,さらに精神的苦痛への配慮などについて述べてみたい.

2.頸管縫縮術

著者: 坂井昌人

ページ範囲:P.436 - P.439

はじめに
 頸管縫縮術はすでに頸管無力症の所見を呈している症例に対して行う場合と,予防的に行われる場合に大別される.前者には胎胞膨隆例に対する緊急手術や,顕著な子宮収縮がなく展退も僅かなのに頸管が開大してきた症例,経膣超音波検査により頸管の短縮の程度に比べ内子宮口から羊膜腔が楔状あるいは指状に突出(funneling)している像が明らかな症例などが含まれる.後者には頸管無力症による流早産の既往のある症例や多胎妊娠,子宮腟部円錐切除術後妊娠などが含まれる.術後の正期産達成率は前者が低く,合併症も起こりやすいのは周知であり,両者を区別した術前・術中・術後管理を行う必要があるが,予防的頸管縫縮術を行う症例にもリスクの高いものがあることには留意しなければならない.

3.頸管拡張の処置

著者: 升田春夫

ページ範囲:P.440 - P.443

はじめに
 頸管拡張は産婦人科の処置(子宮内容除去術,誘発分娩など)を行う前処置として極めて重要である.頸管拡張が十分に行われているかどうかによって,その後の処置の難しさが全く異なったものとなり,引いては臨床的な経過にも影響するからである.例えば,頸管拡張が十分でない場合に,子宮内容除去術を強行すれば,単に機械的に子宮内操作が困難になるだけでなく,患者の疼痛が大きいため体動が起こりやすく,十分で適切な操作ができず.子宮内容の残存や子宮穿孔などの重篤な合併症を引き起こすおそれがある.また,誘発分娩において頸管の熟化が十分でない場合,分娩の進行が遅れ難産になりやすいので,誘発前に頸管拡張を十分に行うことが肝要である.これらのことは日頃の臨床の中で,誰もが経験し実感していることであろう.
 頸管拡張の手技としては,急速拡張法(ヘガール頸管拡張器を使うもの),緩徐拡張法(ラミナリア・ダイラパンによるもの,メトロイリーゼによるもの,薬物を使うもの)に分けられる1).薬物を使用するものは,厳密には頸管拡張の手技ではなく,頸管熟化のための手技であるが,今回はこれについても簡単に触れてみた.

4.胎児の外回転術

著者: 三宅良明 ,   白石真紀 ,   山本樹生

ページ範囲:P.445 - P.447

はじめに
 骨盤位の頻度は古くにはWiesman(1944)らが妊娠18〜22週で24%,28〜30週で8%,34週で7%,38〜40週で2.8%,また最近の超音波で診断されたScheer&Nubar(1976)の報告では妊娠21〜24週,25〜28週,29〜32週,33〜36週,37〜40週でそれぞれ33.3%,27.8%,14%,8.8%,6.7%とされ,最終的に骨盤位で分娩される頻度は3〜4%と考えられている.また骨盤位分娩は周産期死亡率や分娩時外傷が増加することから,Wright(1959)により骨盤位に対して帝王切開が推奨されて以来,1970年が15%,1989年が84%と骨盤位に対する帝王切開率が急速に増加してきた.しかし,一方では帝王切開による感染,出血,羊水栓塞,静脈血栓などに伴う母体死亡率が約6〜8倍となる1).このような背景と最近の超音波診断,周産期管理の進歩とともに帝王切開率の低下を目的として骨盤位外回転術が試みられるようになってきた.

5.妊娠中の婦人科手術

著者: 高橋晃

ページ範囲:P.448 - P.451

はじめに
 妊娠中に婦人科手術を行う場合の問題点は,婦人科疾患の十分な治療と妊娠の安全な継続の両者を考えなければならないことである.妊娠の継続という観点からは,妊娠中の婦人科手術による母体侵襲は,程度の差はあれ常にリスクを伴うものであることを念頭に入れておく必要がある.
 本稿では妊娠中に行われる子宮筋腫核出術,卵巣腫瘍摘出術の,妊娠の継続という観点から見た合併症について述べる.なお,妊娠の継続を断念して行う場合や帝王切開術時に行う場合については本稿では触れないこととする.

6.羊水・臍帯穿刺

著者: 鈴木則嗣 ,   室月淳 ,   岡村州博

ページ範囲:P.452 - P.456

はじめに
 羊水穿刺や臍帯穿刺などの出生前検査は,胎児に関する染色体や遺伝子,あるいは生化学的,生理学的情報を得るためのものである.これらの検査は母体や胎児に対して侵襲的であり,頻度は高くはないが合併症が存在する.また周産期に特有の倫理的な問題が生じうる場合がある.胎児診断に際しては,検査手技の選択とそのリスクについて患者に正しく理解してもらうためのカウンセリングが必要となる.その意味からも出生前診断に当たっては,周産期センターにおける胎児診断の専門家が,絨毛採取をも含めたこれらの侵襲的診断手技の中から適切な方法を選択し施行することが理想的かも知れない.本稿では主に羊水穿刺と臍帯穿刺における合併症について解説する.

7.胎児手術

著者: 千葉敏雄

ページ範囲:P.457 - P.463

はじめに—胎児病態への対応
 わが国の新生児乳児死亡率を世界最低の水準に押し下げてきた新生児医療の進歩は,小児科医,産科医の多大な努力に負うものである.しかし,これまでの新生児医療では,感染症など主に出生後の問題解決に焦点が絞られてきた.このことが近年,新生児乳児死亡の原因に占める先天性疾患の比率を相対的に高める結果となり,もしこの死亡率をさらに低下せしめようとすれば,今後は先天性疾患に対して出生前から積極的に取り組んでいくことが求められよう.
 しかし,胎児医学はこれまでのところ,超音波医学の著しい進歩に見られるように,主に診断面において発展を遂げてきたものであり,これに比べれば,その治療面での進歩は大きく後れをとっている.この出生前医学における診断と治療のアンバランスにより,ある疾患を有すると診断された胎児に対する選択肢は,妊娠継続を中止するか,あるいは通常の分娩後の治療に期するという,おおむね2つのもののみに限定される現状にある.

2.分娩のための手術・処置

1.帝王切開術

著者: 千石一雄 ,   石川睦男

ページ範囲:P.465 - P.469

はじめに
 帝王切開術は比較的安全に行われることが可能である手術といえる.しかし,帝王切開は妊娠という生理学的に特殊な状態であること,緊急性が要求されることが多く,妊娠中毒症,前期破水などの産科的合併症を有し,しかも,母体および胎児両者に対する考慮が必用とされるなど,一般の開腹手術と大きく異なる点が多い.したがって,術中,術後の合併症に関しても特殊性を理解し,その病態および予防,処置法に精通することが重要である.本稿では帝王切開術時で起こりうる合併症の管理に関し,術中,術後に分けて概説する.

2.鉗子遂娩術

著者: 香川秀之

ページ範囲:P.471 - P.473

はじめに
 分娩第II期における急速遂娩法として,鉗子遂娩術は非常に有効な手技である.
 しかしながら,近年,母児双方に対する危険性への憂慮から,その施行機会は激減し,鉗子遂娩術を研修できる施設や手技に習熟した産婦人科医も少なくなっている現状にある.

3.吸引遂娩術

著者: 古川雄一

ページ範囲:P.474 - P.479

はじめに
 吸引遂娩術は,鉗子遂娩術,帝王切開術と並び急速遂娩が必要な時に合理的に選択されるべきもので,母児の安全が第一である.現在の吸引遂娩術を確立したのは,1954年,Malmstromと言われている1).その目的は分娩第II期の短縮であり,適応として次のものがあげられる.
 (1)分娩第II期における分娩停止または遷延

4.会陰切開

著者: 末原則幸

ページ範囲:P.481 - P.483

はじめに
 会陰切開術は,分娩第2期において会陰が強靱で伸展性に乏しく,会陰裂傷が不可避であると考えられるとき,巨大児や回旋異常などのために分娩が遷延しているとき,分娩を急ぐとき,器械分娩をするとき,骨盤位で後続児頭の牽出を行うときなどに腟会陰部を切開する方法で,分娩を少しでも容易にする効果が期待される.適切に会陰切開が行われれば,会陰・腟の皮膚や骨盤底筋群などの不測の裂傷を避けることができ,分娩時間を短く,しかも児の頭部への圧迫による障害も軽減できる.しかし,全分娩に会陰切開を行うことは不要で,会陰部の伸展が十分なときや,児の状態がよく待機できる場合も不要である.いずれにせよ,会陰切開が必要な場合は,その理由と方法を十分産婦に説明して行う必要がある.

5.クリステレル児圧出法

著者: 海野信也

ページ範囲:P.485 - P.489

はじめに
 正常分娩でも,陣痛のみで児頭が娩出することは特に初産婦では稀であり,子宮口全開大後,陣痛発作と同期した怒責が適切に行われ,腹圧が十分にかかることによって児頭が円滑に娩出される.母体疲労などにより腹圧が十分かからない場合の対策として,陣痛発作に合わせて術者の手を用いて子宮底を圧迫することによって児を圧出することが広く行われている.一般にはこれを「クリステレルKristeller児(胎児)圧出法」(Kristeller�s maneuver)と呼んでいる.
 この術式に対しては,児および母体への侵襲の大きさ,合併症の危険という観点から,行うべきでないとする成書もあり1),行う場合も他の術式の補助手段として慎重に行うべきであるという記載が多い2)

3.分娩の手術・処置

1.会陰裂傷・腟壁裂傷の縫合術

著者: 柳原敏宏

ページ範囲:P.490 - P.494

はじめに
 会陰裂傷・腟壁裂傷は,分娩中に発生する母体損傷のうち最も多いものであり,正常の経腟分娩でも10%としばしば認められる異常である1).腟および会陰の伸展性不良,急産(過強陣痛,不適切な怒責など),不適切な会陰保護などによって発生するが,特に産科手術(鉗子分娩,吸引分娩)で35%と多く発生する.また初産婦,特に高年初産婦に多く発生する.日常的に遭遇する異常ではあるが,安易な縫合を行うと縫合不全や直腸腟瘻などの合併症が起こる可能性があり,また重傷のものでは両側の腟壁裂傷や腟円蓋まで達する裂傷など縫合が困難な場合もある.術後の合併症は,子育てをしなければならない母親の日常生活を妨げる結果となるため常に確実な処置と対応が必要である.発生が予測される場合は予防的に会陰切開を行うのが一般的であるが,それでも付加裂傷が発生する場合も多い.
 本稿では,会陰裂傷・腟壁裂傷の縫合によって発生する合併症について述べる.

2.頸管裂傷・子宮破裂の修復術

著者: 光田信明 ,   清水彰子

ページ範囲:P.496 - P.499

はじめに
 頸管裂傷は分娩中に子宮頸部が縦に裂けるものである.分娩中から分娩後の子宮出血の代表的なものの1つである.閉じていた頸管が分娩の進行とともに展退し,開大していく過程で大なり小なり傷はできる.そのうち臨床的に出血量の多い裂傷が治療の対象となる.視認可能な頸管のみのものから腟粘膜にまで裂傷が進展しているものまであるが,一般には3時,9時方向が多い.稀には内子宮口を超えて子宮破裂にまで至る例もある.早急に診断をつけて裂傷範囲を把握したあとに縫合にとりかかる.産科を扱う施設では珍しくはなく,一般的によく遭遇する裂傷である.したがって,経験すれば習熟しやすい手技の1つである.
 子宮破裂は現代においては多くなりつつある.原因は帝王切開率の上昇とその後の経腟分娩(vaginal birth after cesarean section:VBAC)の増加である.VBAC中の子宮破裂は二百分の一程度である.次にはオキシトシンをはじめとする分娩誘発剤の不適切な使用である.子宮破裂はひとたび発症すれば母児に与える影響は重大なものがあることは自明である.子宮破裂を保存的に修復できるものか,子宮摘出に至るのかを短時問で判断し,決断することが要求される.ところが,子宮破裂は突発的に発生し,その頻度はおそらく数千分の1である.

3.胎盤癒着・子宮内反・弛緩出血の処置

著者: 明城光三 ,   和田裕一

ページ範囲:P.501 - P.505

はじめに
 本稿で述べる癒着胎盤,子宮内反症,弛緩出血はいずれも分娩後の出血の原因となる疾患である.分娩は多かれ少なかれ出血を伴うが,ときに大量となり,しかもそれが短時間で起こるため迅速な処置が必要で,安全のため分娩が施設内で行われるようになったひとつの要因となっている.分娩後の異常出血の原因としては前項で述べられた軟産道裂傷や子宮破裂などの疾患もあるが,最も頻度が高いのは弛緩出血である.癒着胎盤,子宮内反症は頻度こそ低いが,いったん発症すると重篤であり,産科医としては分娩を扱う際に常に頭に入れておくべき疾患である.
 近年,帝王切開術の頻度が増加し,当院でもここ2〜3年,経産婦の約1/4が前回あるいは既往に帝王切開術を行った妊婦である.前回帝切創は瘢痕化することが多く,ここに胎盤が付着すると癒着胎盤となりやすい.特に前置胎盤であると癒着胎盤の頻度が高く,特に注意すべき状態と考える.

III 麻酔にかかわる合併症

1.局所麻酔

著者: 青木昭和

ページ範囲:P.507 - P.513

はじめに
 局所麻酔剤を用いる麻酔を広義の局所麻酔法と呼び,表面麻酔,局所浸潤麻酔,末梢神経ブロック,脊椎麻酔(くも膜下ブロック),硬膜外麻酔(硬膜外ブロック),局所静脈内麻酔などが含まれる.このうち,局所浸潤麻酔を狭義の局所麻酔という.局所麻酔は適切な使用法の範囲内では,患者の意識を失わせることなく,手術する部位のみに無痛状態を生じさせる方法で,患者のほとんどの反射は保たれているため,安全な麻酔法として多くの利点を有し,広く受け入れられている.
 産婦人科領域では,脊椎麻酔,硬膜外麻酔ならびに局所浸潤麻酔が頻繁に施行されている.さらに近年,デイサージャリーの導入が広く行われるようになり,産婦人科領域においても,麻酔管理に習熟する必要性が高くなってきたと思われる.

2.区域麻酔

著者: 天野完

ページ範囲:P.514 - P.519

はじめに
 産婦人科領域の手術は下腹部に限局し,比較的手術時間が短いことから区域麻酔が選択されることが多い.すなわち硬膜外麻酔(EDB),脊椎麻酔(SAB),あるいは脊椎麻酔硬膜外麻酔用(CSE)であり,無痛分娩にも用いられる.区域麻酔により全身麻酔に伴う副作用,合併症を回避できるが,区域麻酔に特有な副作用,合併症は無視できず,絶えず不測の事態を想定し,救急蘇生器具,薬品の準備とともに対応策を考慮しておく必要がある.帝王切開術などでは麻酔科医の関与のない状態で産婦人科医が麻酔管理と手術を同時に行わざるを得ない状況も多く.緊急時の対応は重要課題である.
 本稿では区域麻酔で生じ得る主な副作用,合併症について予防対策を含めて記述する.なおSABを安全に行うためのガイドラインを図1に示した.

3.静脈麻酔

著者: 越智博

ページ範囲:P.521 - P.525

はじめに
 静脈麻酔薬は,前投薬,麻酔導入薬,局所麻酔時の鎮静.催眠薬,day surgeryや心血管系手術の麻酔薬として用いられる.静脈麻酔薬は一般に導入が速やかで興奮期がないなどの長所がある反面,調節性に乏しく,呼吸・循環系への影響も比較的大きい(表1).したがって,人工妊娠中絶術などの小手術の麻酔であっても,静脈麻酔薬の作用,起こりうる合併症を十分に理解し,厳重な管理が必要である.

4.吸入麻酔

著者: 椋棒正昌

ページ範囲:P.526 - P.529

はじめに
 吸入麻酔は,エーテル,クロロホルム,笑気の時代から,笑気とハロセンを混合した麻酔を経て,最近では導入・覚醒が速く,安定した麻酔の維持ができ,かつ呼吸・循環への影響が少ないイソフルランとセボフルランが使用されている.
 吸入麻酔はいわゆるガス麻酔器を使用し,多くは半閉鎖循環式麻酔回路で,専用気化器により一定濃度の麻酔薬が与えられるので,麻酔深度が保ちやすく,さらに呼吸を補助・調節することが可能である.しかし,吸入麻酔薬を用いて全身麻酔を行う場合,術中・術後の合併症は避けられない.川島1)によると,本邦では1999年度の全身麻酔の対1万症例当たりの死亡率は「麻酔管理が原因」で0.12(83,333症例に1例)であり,麻酔がより安全になってきている.しかし,術中・術後の合併症や手術を含めて,すべての原因による死亡率は8.17(1,224症例に1例)であり,術中・術後合併症の予防,管理,治療の重要性を知ることができる.

IV 合併症への対応

1.膀胱損傷

著者: 真崎善二郎 ,   横山正俊

ページ範囲:P.531 - P.533

はじめに
 婦人科手術中の合併症として,膀胱損傷は尿管損傷に次ぐ代表的な尿路損傷の1つである.それほど高頻度にみられるわけではないが,経腹的子宮摘除術中0.5〜1.0%に起こるとされているほどで,決して軽視できるものではない1)
 術中に膀胱損傷が認識され,状況に応じて正しく修復されればほとんどの場合,何の不都合も起こらないと考えてよいが,尿管口に近い場合,術前radiationが施行されている場合,あるいは術後しばらくして膀胱腟瘻が判明した場合は,かなり経験を積んだ専門家のアドバイスなしには適切な治療は困難である.本稿では,直面した場合に応じた対処法について述べる.

2.尿管損傷

著者: 上領頼啓

ページ範囲:P.534 - P.544

はじめに
 骨盤腔内は狭いスペースのなかに尿管,膀胱,尿道,直腸,女性ではさらに卵巣,卵管,子宮,腟と多くの器官が存在し,静脈が発達して複雑な静脈叢を形成している.このため手術に際して隣接臓器の同定が不完全であったり,拙劣な操作で出血させると容易に他臓器に損傷を与える.そのうえ各臓器が外科,泌尿器科,婦人科とそれぞれ領域が異なり,領域外の予期せぬ臓器損傷に対してその処置に慣れていないため,その対応を誤ると術後に後遺症を生じ患者のQOLを損なう.領域外の臓器損傷に対しては専門医の助けを借りることはもちろん必要であるが,骨盤内の手術を行うかぎりはたとえ領域外といえどもこうしたトラブルに遭遇した場合,それに対する適切な処置を知っておく必要があろう.
 本稿では,婦人科手術の際に引き起こされた尿管損傷の対処の方法について述べる.

3.消化管損傷

著者: 西川晋右 ,   森田隆幸 ,   佐々木睦男

ページ範囲:P.546 - P.548

はじめに
 婦人科手術において腸管損傷は遭遇し得る合併症の1つであるが,その大部分は癒着剥離時に生じる.本稿では,損傷の形態別に周術期の注意点と,損傷発生時の処置について消化器外科の視点で解説したい.

4.大血管の損傷

著者: 今村洋二

ページ範囲:P.549 - P.553

はじめに
 産婦人科手術における血管損傷は,横隔膜より両側鼠径靱帯の間,特に下腹部から骨盤腔内の後腹膜領域の動静脈損傷ということになろう.この範囲にある主要血管は,腹部大動脈とその分枝,下大静脈とそれへの流入静脈,そして腸管より肝臓に流入する門脈系に大別される.この領域の血管は,動静脈の分枝走行に奇形が多いことや,動静脈が並走することが多く,血管を損傷しないように注意することが大切である.また,骨盤腔内諸臓器間の血流は密接な関係にあり,この部位の大血管損傷は女性性器関係臓器のみでなく,泌尿器系臓器,消化器系臓器,そして臀部腰骨盤部を形成する筋肉への血行に影響を及ぼすことがあることも注意すべきである.
 最近は,産婦人科領域の手術にも内視鏡下手術が導入されつつあるが1,2),通常の開腹術と同様の血管損傷が起こりうると思われる.内視鏡下手術中に大血管損傷を起こしたら,直ちに出血部の圧迫を行いつつ,通常の開腹術に移行させ,損傷の修復を行うべきであろう,それゆえ本稿では,通常の開腹術に伴う大血管損傷に対し,血管外科医がどう対処しているか,その基本的手技を中心に述べたい.

5.術後出血

著者: 山嵜正人

ページ範囲:P.555 - P.557

はじめに
 無事に手術を終え部屋でほっとしているときに,病棟より「さきほど手術を終えた患者さんの血圧が低いのですが」「尿量が少ないのですが」などの連絡が入り,“びくっ”とした経験のない手術医は少ないのではないだろうか.さらに,無事退院してもその後に思わぬ腟出血で再入院となった苦い経験をお持ちの先生方も少なからずいると思われる.本稿では,患者ばかりでなく手術医にとっても大変な負担になる術後出血について,その頻度,原因,予防,症状,診断,処置などについてまとめた.

6.切開創の局所合併症

著者: 青木陽一

ページ範囲:P.558 - P.561

はじめに
 近年,婦人科領域においても,高齢者,合併症を持った患者,全身状態不良な患者,化学療法・放射線治療後の患者などに対する手術の機会が増えている.術後の切開創の局所合併症,すなわち感染,離開,血腫の頻度は,このような患者において高頻度となるのはいうまでもない.ハイリスク患者に対してのみならず,これらの局所合併症を少しでも減少させるための注意点・処置方法について述べたい.

7.術後感染症

著者: 保田仁介

ページ範囲:P.562 - P.564

はじめに
 術後感染症はこの20年間で著明に減少したが,いったん発症すると難治となることも多く,また患者の早期回復などQOLの障害になることからその対策は重要である.
 感染症対策としては,感染予防としての抗菌薬の投与と術中の皮膚ドレープの使用や開創鉤や鉗子類などによって圧迫を受ける腹壁の保護といった処置,術後処置としてのドレナージといった対策があるが,ここでは抗菌薬の予防投与と感染症の治療について述べる.

8.イレウス

著者: 小森山広幸 ,   萩原優 ,   林和彦

ページ範囲:P.565 - P.569

はじめに
 開腹手術を行うと,いかなる例でも癒着が生ずるが,腸管の狭窄や閉塞症状が発現しない限り問題とされない.腹部膨満や嘔吐,腹痛.排ガス排便の停止など,複合的な症状の発現状態を総括的にイレウス(腸閉塞)と呼称する.イレウスには種々の原因があり.腸管内容物の肛側への通過が障害された状態と定義されている1).産婦人科開腹手術では腸管へ直接手技が及ぶことは少ないものの,ときにイレウスを経験する.当院では過去5年間の帝王切開を含む産婦人科開腹手術1,405例中,外科医が管理したいわゆる術後イレウスは7例であった.産婦人科系術後のイレウスでは癒着による単純性イレウスであることが多く,保存的治療が奏効する.一方,腸管の血流障害を伴う絞扼性(複雑性)イレウスでは速やかな手術的治療が求められる.
 本稿では,産婦人科系術後のイレウスの多数を占める癒着性イレウスと,その保存的治療法について述べるとともに,絞扼の診断や手術適応についても触れたい.

9.血栓症,肺塞栓症

著者: 小林浩

ページ範囲:P.571 - P.575

はじめに
 1.分類
 静脈血栓症は,表在性静脈血栓症(superficialvenous thrombosis)と深部静脈血栓症(deepvenous thrombosis:DVT)に分類される.肺血栓塞栓症(pulmonary thromboembolism:PTE)は,DVTとともに広義の静脈血栓塞栓性疾患(venous thromboembolism:VTE)に含まれる1〜3).表在性静脈血栓症は妊娠によく合併するが,深部静脈血栓に移行し肺塞栓を起こす危険性はない.PTEは下肢,骨盤部のDVTの合併症として起こることがほとんどである.また,PTEは発症時期から急性および慢性症例に分類されるが,産婦人科領域で主に問題となるのは急性症例であり,本稿では急性肺血栓塞栓症について述べる.

10.排尿・排便障害

著者: 奥田博之 ,   児玉順一

ページ範囲:P.577 - P.579

はじめに
 婦人科手術のなかで術後,排尿・排便障害を引き起こす代表的手術は広汎子宮全摘出術である.排尿・排便障害は,術後のQOLを低下させる因子の1つである.排尿障害の発生頻度は高く,尿意鈍麻あるいは消失,排尿困難に伴い多量の残尿を認める.また,尿失禁を認めることもある.排便障害としては便秘が出現することがある.
 本稿では,広汎子宮全摘出術後に生じる合併症としての排尿・排便障害について述べる.

11.大腿神経麻痺

著者: 盛本太郎 ,   近藤哲郎 ,   岡井崇

ページ範囲:P.580 - P.583

はじめに
 婦人科開腹術後の大腿神経麻痺は一般に考えられているよりも高い頻度で発生しており,開腹鉤の側板(ブレード)がその発症と密接に関与すると考えられている.術後早期に発症する大腿前面の知覚低下,痺れ感と腸腰筋,大腿四頭筋の筋力低下による歩行障害および膝蓋腱反射の減弱が特徴的な症状である.婦人科開腹術後の大腿神経麻痺の多くは自然治癒するといわれているが,ときとして歩行障害,知覚障害が遷延する場合があり,子宮筋腫などの良性疾患の術後に合併することが多いため,その発症予防と早期発見は重要である.
 術後大腿神経麻痺は婦人科腟式手術,鼠径ヘルニア根治術,大腿骨頭置換術などでも報告されているが,本稿では,産婦人科医が遭遇する頻度が高いと思われる開腹術後の大腿神経麻痺を中心に考察する.

連載 カラーグラフ 知っていると役立つ婦人科病理・34

What is your diagnosis?

著者: 加耒恒壽

ページ範囲:P.321 - P.323

症例:39歳,女性
 水様帯下が持続するため来院.子宮全摘出術,両側付属器切除術,および骨盤リンパ節郭清が施行された.Fig 1,2は子宮頸部病変からの組織像(HE染色)で,Fig 3は同部のHIK1083染色である.
 1.良性病変か,それとも悪性病変か.

OBSTETRIC NEWS

骨盤位妊娠の取り扱い2001年

著者: 武久徹

ページ範囲:P.594 - P.595

 満期単胎骨盤位妊娠の経腟分娩は妊婦および産科医に大きなストレスである.骨盤位妊娠の取り扱いには異論がある.
 満期骨盤位分娩に関する予定帝王切開(帝切)と予定経腟試験分娩の予後を比較した無作為対照研究は現在まで3研究のみである.そのなかの2研究は小規模研究(合計313例のみ)で,帝切が計画された場合は母体予後はより悪化するが,児の予後はより良好という結論であった(AJOG137:235,1990/AJOG146:34,1983).

Luncheon Seminar

高プロラクチン血症と不妊症に関する提言2001

著者: 青野敏博

ページ範囲:P.585 - P.592

 2001年11月に東京で開催された,第46回日本不妊学会(会長中村幸雄:杏林大学医学部産婦人科教授)に併催されたランチョンセミナー「高プロラクチン血症と不妊症に関する提言2001」(日本シエーリング株式会社共催)は,昭和大学名誉教授矢内原巧先生の司会のもと行われた.長年,「高プロラクチン血症と不妊症」に関して精力的に研究をなされてきた青野先生のセミナーということで,会場は満席の聴衆を集め,その関心の高さをうかがわせた.

Current Practice

子宮外妊娠の内科的治療法

著者: 矢沢珪二郎

ページ範囲:P.596 - P.597

 ベータhCG検査と経腟超音波(transvaginalsonography:TVS)は子宮外妊娠(ectopicpregnancy:EP)の診断と治療に著しい変化をもたらし,methotrexateによる内科的治療法が現在採用され始めている.以下,その要点をご紹介したい.

基本情報

臨床婦人科産科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1294

印刷版ISSN 0386-9865

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今月の臨床 婦人科腹腔鏡手術の進歩と“落とし穴”

69巻10号(2015年10月発行)

今月の臨床 婦人科疾患の妊娠・産褥期マネジメント

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69巻8号(2015年8月発行)

今月の臨床 体外受精治療の行方─問題点と将来展望

69巻7号(2015年7月発行)

今月の臨床 専攻医必読─基礎から学ぶ周産期超音波診断のポイント

69巻6号(2015年6月発行)

今月の臨床 産婦人科医必読─乳がん予防と検診Up to date

69巻5号(2015年5月発行)

今月の臨床 月経異常・不妊症の診断力を磨く

69巻4号(2015年4月発行)

増刊号 妊婦健診のすべて─週数別・大事なことを見逃さないためのチェックポイント

69巻3号(2015年4月発行)

今月の臨床 早産の予知・予防の新たな展開

69巻2号(2015年3月発行)

今月の臨床 総合診療における産婦人科医の役割─あらゆるライフステージにある女性へのヘルスケア

69巻1号(2015年1月発行)

今月の臨床 ゲノム時代の婦人科がん診療を展望する─がんの個性に応じたpersonalizationへの道

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