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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科56巻4号

2002年04月発行

今月の臨床 産婦人科手術における合併症管理のすべて

I 婦人科手術 1.開腹手術

2.子宮筋腫核出術

著者: 波多江正紀1

所属機関: 1鹿児島市立病院産婦人科

ページ範囲:P.329 - P.333

文献概要

はじめに
 子宮筋腫に対する手術は,卵巣嚢腫に並んで婦人科でもっともルーチンに行われる手術の一つであるが,その発生原因やハイリスクの患著の特定,若年者での発生の増加など,必ずしも十分にわかっていないまま,極めて多くの子宮筋腫に対する手術が対症療法として行われているのが現状である.過多月経や月経痛,あるいは妊娠成立の障害などを伴う場合,機能温存を目的にした筋腫核出術にいくつかの管理上の問題点を考慮しておく必要があると思われる.
 筋腫核出術は腫瘍摘出後の子宮の機能をできるだけもとのままに温存することを目的に行われる手技である.過多月経や月経困難症の症状改善を目的に実施されることもある.不妊症の原因が子宮筋腫以外のすべてが否定された場合も適応となることがある.すべての患者で筋腫核出術が適応となるわけではなく,未婚なのか既婚なのか,妊娠中か非妊娠時か,不妊症を伴っているのか,出生後の次なる妊娠に対して行われる筋腫核出術なのか,再手術として行われるのかなど状況によって手術の利点と欠点を判断する必要がある.機能温存として妊娠を主たる目的としている場合には,手術による二次的な不妊症や,次なる帝王切開の適応についても説明と同意が十分になされていなければならない.妊娠中の子宮筋腫に対する核出術の是非について,論議が再び起こっているような状況も昨今はある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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