文献詳細
文献概要
今月の臨床 産婦人科手術における合併症管理のすべて I 婦人科手術 1.開腹手術
4.子宮奇形の形成術
著者: 牧野恒久1
所属機関: 1東海大学医学部母子生育学系産婦人科学部門
ページ範囲:P.340 - P.343
文献購入ページに移動はじめに
ヒトの子宮形態異常は,先天性と後天性子宮形態異常に大別されるが,本稿では先天性子宮奇形に対する子宮形成術についてまとめることにした.
先天性の子宮奇形の大部分は,初経の年齢やそのあとの月経周期などにほとんど影響を及ぼさず,結婚後,自然流産を反復し精査の結果,はじめてその異常を指摘される場合が多い.したがって真の頻度については諸家の報告が一致しない.筆者は流産を反復する不育症の婦人1,120名のうち,1,000名に施行した子宮卵管造影像の中で147例(14.7%)に何らかの子宮内腔の形態異常を見出した1).
ヒトの子宮形態異常は,先天性と後天性子宮形態異常に大別されるが,本稿では先天性子宮奇形に対する子宮形成術についてまとめることにした.
先天性の子宮奇形の大部分は,初経の年齢やそのあとの月経周期などにほとんど影響を及ぼさず,結婚後,自然流産を反復し精査の結果,はじめてその異常を指摘される場合が多い.したがって真の頻度については諸家の報告が一致しない.筆者は流産を反復する不育症の婦人1,120名のうち,1,000名に施行した子宮卵管造影像の中で147例(14.7%)に何らかの子宮内腔の形態異常を見出した1).
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