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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科56巻4号

2002年04月発行

今月の臨床 産婦人科手術における合併症管理のすべて

I 婦人科手術 4.外陰手術

1.広汎性外陰切除術

著者: 嘉村敏治1

所属機関: 1久留米大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.424 - P.427

文献概要

はじめに
 本邦における外陰癌は欧米に比較するとまだ頻度が少ないが,HPVと密接に関係していると考えられており,若年者にも初期癌が発見されるようになってきた.
 浸潤癌の約90%は扁平上皮癌であり,その30%近くに鼠径リンパ節転移がみられる.鼠径リンパ節転移が陰性であれば80〜90%の5年生存率が得られるが,陽性であれば20〜50%に低下する1,2).原発部位から鼠径リンパ節までは大陰唇の皮下脂肪の中をメッシュ状に走るリンパ流に乗って癌細胞が運ばれる(図1).そこで外陰癌の手術では,原発巣とともに大陰唇の外側(labiocrural fold)で皮切を入れ筋膜に達する深さで外陰部を切除する(図2).また鼠径部の皮膚は切除する方法と切除しない方法がある(図3).鼠径リンパ節転移が疑われる場合は鼠径部の皮膚も含めて切除する.また下腹部の上前腸骨棘以下のCamper�s fasciaより深い皮下脂肪内に存在するリンパ管も脂肪組織と一緒に切除する.切除後は外陰皮膚と腟壁を一次的に縫合することが多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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