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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科56巻4号

2002年04月発行

今月の臨床 産婦人科手術における合併症管理のすべて

II 産科の手術・処置 1.妊娠中の手術・処置

3.頸管拡張の処置

著者: 升田春夫12

所属機関: 1前墨東病院周産期センター産科 2現三枝産婦人科

ページ範囲:P.440 - P.443

文献概要

はじめに
 頸管拡張は産婦人科の処置(子宮内容除去術,誘発分娩など)を行う前処置として極めて重要である.頸管拡張が十分に行われているかどうかによって,その後の処置の難しさが全く異なったものとなり,引いては臨床的な経過にも影響するからである.例えば,頸管拡張が十分でない場合に,子宮内容除去術を強行すれば,単に機械的に子宮内操作が困難になるだけでなく,患者の疼痛が大きいため体動が起こりやすく,十分で適切な操作ができず.子宮内容の残存や子宮穿孔などの重篤な合併症を引き起こすおそれがある.また,誘発分娩において頸管の熟化が十分でない場合,分娩の進行が遅れ難産になりやすいので,誘発前に頸管拡張を十分に行うことが肝要である.これらのことは日頃の臨床の中で,誰もが経験し実感していることであろう.
 頸管拡張の手技としては,急速拡張法(ヘガール頸管拡張器を使うもの),緩徐拡張法(ラミナリア・ダイラパンによるもの,メトロイリーゼによるもの,薬物を使うもの)に分けられる1).薬物を使用するものは,厳密には頸管拡張の手技ではなく,頸管熟化のための手技であるが,今回はこれについても簡単に触れてみた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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