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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科56巻4号

2002年04月発行

今月の臨床 産婦人科手術における合併症管理のすべて

II 産科の手術・処置 1.妊娠中の手術・処置

7.胎児手術

著者: 千葉敏雄1

所属機関: 1国立成育医療センター・特殊診療部

ページ範囲:P.457 - P.463

文献概要

はじめに—胎児病態への対応
 わが国の新生児乳児死亡率を世界最低の水準に押し下げてきた新生児医療の進歩は,小児科医,産科医の多大な努力に負うものである.しかし,これまでの新生児医療では,感染症など主に出生後の問題解決に焦点が絞られてきた.このことが近年,新生児乳児死亡の原因に占める先天性疾患の比率を相対的に高める結果となり,もしこの死亡率をさらに低下せしめようとすれば,今後は先天性疾患に対して出生前から積極的に取り組んでいくことが求められよう.
 しかし,胎児医学はこれまでのところ,超音波医学の著しい進歩に見られるように,主に診断面において発展を遂げてきたものであり,これに比べれば,その治療面での進歩は大きく後れをとっている.この出生前医学における診断と治療のアンバランスにより,ある疾患を有すると診断された胎児に対する選択肢は,妊娠継続を中止するか,あるいは通常の分娩後の治療に期するという,おおむね2つのもののみに限定される現状にある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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