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文献概要
今月の臨床 産婦人科手術における合併症管理のすべて II 産科の手術・処置 2.分娩のための手術・処置
5.クリステレル児圧出法
著者: 海野信也1
所属機関: 1長野県立こども病院総合周産期母子医療センター産科
ページ範囲:P.485 - P.489
文献購入ページに移動はじめに
正常分娩でも,陣痛のみで児頭が娩出することは特に初産婦では稀であり,子宮口全開大後,陣痛発作と同期した怒責が適切に行われ,腹圧が十分にかかることによって児頭が円滑に娩出される.母体疲労などにより腹圧が十分かからない場合の対策として,陣痛発作に合わせて術者の手を用いて子宮底を圧迫することによって児を圧出することが広く行われている.一般にはこれを「クリステレルKristeller児(胎児)圧出法」(Kristeller�s maneuver)と呼んでいる.
この術式に対しては,児および母体への侵襲の大きさ,合併症の危険という観点から,行うべきでないとする成書もあり1),行う場合も他の術式の補助手段として慎重に行うべきであるという記載が多い2).
正常分娩でも,陣痛のみで児頭が娩出することは特に初産婦では稀であり,子宮口全開大後,陣痛発作と同期した怒責が適切に行われ,腹圧が十分にかかることによって児頭が円滑に娩出される.母体疲労などにより腹圧が十分かからない場合の対策として,陣痛発作に合わせて術者の手を用いて子宮底を圧迫することによって児を圧出することが広く行われている.一般にはこれを「クリステレルKristeller児(胎児)圧出法」(Kristeller�s maneuver)と呼んでいる.
この術式に対しては,児および母体への侵襲の大きさ,合併症の危険という観点から,行うべきでないとする成書もあり1),行う場合も他の術式の補助手段として慎重に行うべきであるという記載が多い2).
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