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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科56巻4号

2002年04月発行

今月の臨床 産婦人科手術における合併症管理のすべて

II 産科の手術・処置 3.分娩の手術・処置

1.会陰裂傷・腟壁裂傷の縫合術

著者: 柳原敏宏1

所属機関: 1香川医科大学周産期学婦人科学

ページ範囲:P.490 - P.494

文献概要

はじめに
 会陰裂傷・腟壁裂傷は,分娩中に発生する母体損傷のうち最も多いものであり,正常の経腟分娩でも10%としばしば認められる異常である1).腟および会陰の伸展性不良,急産(過強陣痛,不適切な怒責など),不適切な会陰保護などによって発生するが,特に産科手術(鉗子分娩,吸引分娩)で35%と多く発生する.また初産婦,特に高年初産婦に多く発生する.日常的に遭遇する異常ではあるが,安易な縫合を行うと縫合不全や直腸腟瘻などの合併症が起こる可能性があり,また重傷のものでは両側の腟壁裂傷や腟円蓋まで達する裂傷など縫合が困難な場合もある.術後の合併症は,子育てをしなければならない母親の日常生活を妨げる結果となるため常に確実な処置と対応が必要である.発生が予測される場合は予防的に会陰切開を行うのが一般的であるが,それでも付加裂傷が発生する場合も多い.
 本稿では,会陰裂傷・腟壁裂傷の縫合によって発生する合併症について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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