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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科56巻4号

2002年04月発行

今月の臨床 産婦人科手術における合併症管理のすべて

II 産科の手術・処置 3.分娩の手術・処置

3.胎盤癒着・子宮内反・弛緩出血の処置

著者: 明城光三1 和田裕一23

所属機関: 1前国立仙台病院産婦人科 2国立仙台病院産婦人科 3東北大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.501 - P.505

文献概要

はじめに
 本稿で述べる癒着胎盤,子宮内反症,弛緩出血はいずれも分娩後の出血の原因となる疾患である.分娩は多かれ少なかれ出血を伴うが,ときに大量となり,しかもそれが短時間で起こるため迅速な処置が必要で,安全のため分娩が施設内で行われるようになったひとつの要因となっている.分娩後の異常出血の原因としては前項で述べられた軟産道裂傷や子宮破裂などの疾患もあるが,最も頻度が高いのは弛緩出血である.癒着胎盤,子宮内反症は頻度こそ低いが,いったん発症すると重篤であり,産科医としては分娩を扱う際に常に頭に入れておくべき疾患である.
 近年,帝王切開術の頻度が増加し,当院でもここ2〜3年,経産婦の約1/4が前回あるいは既往に帝王切開術を行った妊婦である.前回帝切創は瘢痕化することが多く,ここに胎盤が付着すると癒着胎盤となりやすい.特に前置胎盤であると癒着胎盤の頻度が高く,特に注意すべき状態と考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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