文献詳細
今月の臨床 産婦人科手術における合併症管理のすべて
IV 合併症への対応
文献概要
はじめに
婦人科手術中の合併症として,膀胱損傷は尿管損傷に次ぐ代表的な尿路損傷の1つである.それほど高頻度にみられるわけではないが,経腹的子宮摘除術中0.5〜1.0%に起こるとされているほどで,決して軽視できるものではない1).
術中に膀胱損傷が認識され,状況に応じて正しく修復されればほとんどの場合,何の不都合も起こらないと考えてよいが,尿管口に近い場合,術前radiationが施行されている場合,あるいは術後しばらくして膀胱腟瘻が判明した場合は,かなり経験を積んだ専門家のアドバイスなしには適切な治療は困難である.本稿では,直面した場合に応じた対処法について述べる.
婦人科手術中の合併症として,膀胱損傷は尿管損傷に次ぐ代表的な尿路損傷の1つである.それほど高頻度にみられるわけではないが,経腹的子宮摘除術中0.5〜1.0%に起こるとされているほどで,決して軽視できるものではない1).
術中に膀胱損傷が認識され,状況に応じて正しく修復されればほとんどの場合,何の不都合も起こらないと考えてよいが,尿管口に近い場合,術前radiationが施行されている場合,あるいは術後しばらくして膀胱腟瘻が判明した場合は,かなり経験を積んだ専門家のアドバイスなしには適切な治療は困難である.本稿では,直面した場合に応じた対処法について述べる.
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