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今月の臨床 産婦人科手術における合併症管理のすべて IV 合併症への対応
11.大腿神経麻痺
著者: 盛本太郎1 近藤哲郎1 岡井崇1
所属機関: 1昭和大学医学部産婦人科
ページ範囲:P.580 - P.583
文献購入ページに移動婦人科開腹術後の大腿神経麻痺は一般に考えられているよりも高い頻度で発生しており,開腹鉤の側板(ブレード)がその発症と密接に関与すると考えられている.術後早期に発症する大腿前面の知覚低下,痺れ感と腸腰筋,大腿四頭筋の筋力低下による歩行障害および膝蓋腱反射の減弱が特徴的な症状である.婦人科開腹術後の大腿神経麻痺の多くは自然治癒するといわれているが,ときとして歩行障害,知覚障害が遷延する場合があり,子宮筋腫などの良性疾患の術後に合併することが多いため,その発症予防と早期発見は重要である.
術後大腿神経麻痺は婦人科腟式手術,鼠径ヘルニア根治術,大腿骨頭置換術などでも報告されているが,本稿では,産婦人科医が遭遇する頻度が高いと思われる開腹術後の大腿神経麻痺を中心に考察する.
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