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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科56巻5号

2002年05月発行

文献概要

今月の臨床 ここまでわかる産婦人科のMRI MRI診断の実際

8.胎盤のMRI

著者: 永山雅子1 渡邊祐司1 高橋晃2

所属機関: 1倉敷中央病院放射線科 2倉敷中央病院産婦人科

ページ範囲:P.668 - P.673

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はじめに
 産科領域においては,USが第一選択の検査である.しかし超音波検査のみでは診断に苦慮する場合も少なくなく,このような時には,治療方針の決定のためにMRIによる付加的な情報が必要である.MRIはX線被曝がないため,CTに比べて,妊婦や若年女性に施行しやすい.組織コントラストに優れ,病変に特異的な信号を得ることもできる.また任意の断面を得ることができ、妊娠によって腫大した子宮に対しては,子宮全体をカバーする広い撮像視野の設定も可能である.
 従来,妊娠中のMRI検査は胎児の胎動による画質の劣化が問題であったが,近年,高速撮像法の進歩により,胎児の動きの影響の少ない画像を得ることができるようになった.また,ガドリニウム造影剤を用いたダイナミックMRIでは,病変の血流を容易に評価することができる.したがってMRIは,胎盤の関連する種々の疾患においても,USの補助的検査法として有用と考えられる(表1)1,2)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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