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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科56巻6号

2002年06月発行

文献概要

今月の臨床 多胎妊娠管理—レベルアップのために 双胎間輸血症候群の診断と管理

1.双胎胎盤の病理所見—双胎間輸血症候群の血管吻合を中心に

著者: 中山雅弘1

所属機関: 1大阪府立母子保健総合医療センター検査科

ページ範囲:P.736 - P.740

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双胎の胎盤の観察法1)
 双胎の胎盤による卵性診断について述べる.双胎は,胎児の性別が異なればまず二卵性である.この点に関して.唯一の例外は胎児の性染色体異常症である.極めて稀な状態であるが,一卵性双胎で,1個の接合子の双生児化の時期と並行して(あるいはその後)不分離が生じたため,一方の染色体のY染色体が障害を受け,46,XY(男児)と45,XO(女児,Turner症侯群)という例外が発生する.当科で1例にのみこのような例を経験している2).性が同じである場合は胎盤の数を見る.胎盤が2個の場合は分離二絨毛二羊膜である.次いで,胎盤が1つの場合は隔壁があるかないか(羊水腔は1つか2つか?)をみる.隔壁がなければ一絨毛一羊膜胎盤である.隔壁があるときに,これと羊水腔表面の羊膜・絨毛膜との関係を見る.一絨毛二羊膜のときは隔壁は2枚の羊膜のみからなるので非常に薄い.二絨毛二羊膜のときは羊膜の間に結合織が見られるので通常厚い.この鑑別は,肉眼的に簡単にわかるものが大部分であるが.このような胎盤の約10個のうち,1〜2個は難しくて間違いやすい.二絨毛二羊膜胎盤で隔壁の結合織がわずかな場合は,注意深く見ないと一絨毛二羊膜胎盤と見間違う.このような例は,隔壁の組織検査も併用するとよい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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