文献詳細
今月の臨床 多胎妊娠管理—レベルアップのために
文献概要
はじめに
双胎間輸血症候群(twin-to-twin transfusionsyndrome:TTTS)は一絨毛膜二羊膜性双胎にみられる特有な病態で,古典的には胎盤表面における血管吻合を通して一方の児から他方の児へ血液が移行することによって生じ,供血児に貧血,IUGR,受血児に多血症,心不全をきたす症候群とされ,さらにRausenら1)により出生児間でのヘモグロビン濃度差が5g/dl以上と定義されてきた.その後,必ずしもヘモグロビン濃度差が存在しない症例も報告され,超音波診断技術の進歩などにより出生前診断基準としてさまざまな定義が用いられてきたが,現在では病態を考える意味で大きく急性型と慢性型の2つに分けて考えるのが一般的である.すなわち,分娩直前の急激な血行動態の変化によりヘモグロビン濃度差が5g/dl以上となる急性型と,ヘモグロビン濃度差は存在しないが,胎内で羊水過多,過少となり供血児,受血児にさまざまな特徴的な病態を呈する慢性型である.
双胎間輸血症候群(twin-to-twin transfusionsyndrome:TTTS)は一絨毛膜二羊膜性双胎にみられる特有な病態で,古典的には胎盤表面における血管吻合を通して一方の児から他方の児へ血液が移行することによって生じ,供血児に貧血,IUGR,受血児に多血症,心不全をきたす症候群とされ,さらにRausenら1)により出生児間でのヘモグロビン濃度差が5g/dl以上と定義されてきた.その後,必ずしもヘモグロビン濃度差が存在しない症例も報告され,超音波診断技術の進歩などにより出生前診断基準としてさまざまな定義が用いられてきたが,現在では病態を考える意味で大きく急性型と慢性型の2つに分けて考えるのが一般的である.すなわち,分娩直前の急激な血行動態の変化によりヘモグロビン濃度差が5g/dl以上となる急性型と,ヘモグロビン濃度差は存在しないが,胎内で羊水過多,過少となり供血児,受血児にさまざまな特徴的な病態を呈する慢性型である.
掲載誌情報