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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科56巻6号

2002年06月発行

今月の臨床 多胎妊娠管理—レベルアップのために

多胎妊娠増加の新生児医療へのインパクト

著者: 久保隆彦1

所属機関: 1国立成育医療センター周産期診療部産科

ページ範囲:P.774 - P.777

文献概要

はじめに
 本特集の他稿でも指摘されているだろうが,多胎の増加はARTの普及によるところが大きい.このことは不妊カップルに限りない恩恵をもたらしはしたが,一方で不妊治療の負の影響をも産み出していることは否めない.多胎出産は単に新生児が複数同時に出生することだけではなく,低出生体重児あるいは臓器不全を伴ったNICU管理を必要とするハイリスク新生児が出生する可能性が極めて高いことを意味する.また,出生後の高い後遺症率だけではなく虐待を含めた児の予後を巡る種々の問題,さらには家族への影響,経済的負担などの社会的問題を多胎児育児は内在していることから,NICUに従事する医療者は単胎とは異なった社会的支援を含めた柔軟な対応を余儀なくされる.このことから,多胎妊娠の周産期管理増加は新生児医療に強烈なインパクトを与えているといえる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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