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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科56巻6号

2002年06月発行

連載 最新の手術器械を使いこなす・2

超音波凝固切開装置

著者: 森田峰人1 渡辺慎一郎1 浅川恭行1 中熊正仁1 久保春海1

所属機関: 1東邦大学医学部第1産科婦人科学教室

ページ範囲:P.788 - P.793

文献概要

はじめに
 手術は,「切る」,「はさむ」,「剥離する」,「結紮する」,「縫合する」,「止血する」の6つの基本的操作から成り立っており,いかなる複雑な手術であっても,結局,基本的にはこれらの基本手技の組み合わせで行われる.腹腔鏡下手術では,これらの基本的な手技の中で,結紮,縫合,止血の3者は,開腹手術に比べると困難で時間を要する手技である.特に止血に関しては,従来から出血させない手術と迅速な止血が望まれ,そのためにさまざまな止血法が実施されてきた.焼灼による止血,結紮による止血,クリップによる止血,電気メスによる凝固止血,レーザーによる止血,マイクロウェーブによる凝固止血,種々の止血剤による止血などが従来から用いられてきたが,腹腔鏡下手術ではクリップや電気メスが多用されてきた.
 本稿で取り上げる超音波凝固切開装置(ハーモニックスカルペル:ジョンソン・エンド・ジョンソン社:以下,HS)は,これまでの手術の概念を大きく覆すもので,軟組織の凝固と切開を同時にかつ低温で行うことができ,周辺組織への損傷が他のエネルギー形態を使用した手術装置よりも少ないことが特徴である.本稿ではHSの構造や基本原理から実際の使用までを解説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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