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今月の臨床 —どこまで可能か—悪性腫瘍治療と妊孕能温存 子宮頸癌
2.子宮頸部浸潤癌 1)小浸潤癌における妊孕能温存手術
著者: 大久保和俊1 盛本太郎1 岡井崇1
所属機関: 1昭和大学医学部産婦人科
ページ範囲:P.964 - P.967
文献購入ページに移動近年各分野での悪性腫瘍手術における傾向として,縮小手術および機能温存という概念が強くなっている.患者のQOLを尊重することは婦人科領域における子宮頸癌治療でも同様であり,初期癌での治療内容もその傾向が見て取れる.特に子宮頸部扁平上皮癌においては,FIGOによる1994年の進行期分類改訂を受け,1997年に日本産科婦人科学会でも縦軸方向の広がりや浸潤の深度により,初期癌はより細分化された1).しかし腺癌においては浸潤深度や縦軸方向の広がりの計測方法が確定しておらず,微小浸潤腺癌の細分類は行われていない1,2).
子宮頸癌における主治療としての手術療法も,こうした初期癌の細分化により,従来の拡大手術の概念から治療の個別化へ変化していくものと思われる.
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