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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科56巻8号

2002年08月発行

文献概要

症例

腹腔鏡下手術後の妊娠中に発生したイレウスの2例

著者: 松原英孝1 伊藤誠1 西迫潤1 野村祐久1 千原啓1

所属機関: 1聖霊病院産婦人科

ページ範囲:P.1036 - P.1039

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 妊娠中のイレウス発生頻度は2,500〜3,500分娩に1件といわれ,胎児死亡率20〜50%,母体死亡率10%と報告されている予後不良な疾患である.その原因は既往手術の癒着によるものが最も多いが,近年,婦人科領域でも普及してきた腹腔鏡下手術は開腹手術に比し術後癒着は少ないといわれ,腹腔鏡下手術後の妊娠に伴うイレウスの報告は見当たらない.
 今回筆者らは腹腔鏡下付属器摘出術施行後の妊娠中に発生したイレウスを2例経験したので報告する.[症例1]27週時に絞扼性イレウスにて回腸部分切除を行ったが,イレウスが再発し30週3日に帝王切開とイレウス解除を行った.[症例2]9週時に絞扼性イレウスにてイレウス解除術を行い軽快・退院.20週時にイレウスが再発したが,イレウスチューブ挿入,保存的治療が奏効し39週6日に経腟分娩に至った.いずれの症例も母児ともに経過良好である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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