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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科56巻9号

2002年09月発行

今月の臨床 妊婦健診のピットフォール

初期健診のピットフォール

3.安易すぎる切迫流産の診断

著者: 箕浦茂樹1 中江華子1 服部里佳1

所属機関: 1国立国際医療センター産婦人科

ページ範囲:P.1075 - P.1077

文献概要

はじめに
 産科婦人科用語解説集(金原出版)1)によれば,切迫流産(threatened abortion)とは「胎芽あるいは胎児およびその付属物は全く排出されておらず,子宮口も閉鎖している状態で,少量の子宮出血がある場合,下腹痛の有無にかかわらず切迫流産といっている.流産への移行状態と考えられ,正常妊娠過程への復帰が可能でもある状態とされているが,必ずしも流産の状態を表現したものでなく,妊娠初期時の子宮出血を主徴とした症状に対する名称である」と記載されている.すなわち切迫流産は妊娠22週未満の性器出血という症候を表す言葉であることから,その原因には種々のものが含まれる.
 一方患者にとってみると,切迫流産という言葉は流産が切迫している状態ととらえがちであり,出血をみただけでも大きな不安を抱くことが多い.このような患者に対しては,出血が必ずしも流産の徴候ではないということを具体的に説明する必要があり,そのためには超音波所見を中心とした正確な鑑別診断が重要である.本稿では切追流産の概要について述べた後,当院の臨床データをもとに,特に絨毛膜下血腫の臨床的意義について触れてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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