文献詳細
今月の臨床 妊婦健診のピットフォール
初期健診のピットフォール
文献概要
膜性診断の必要性・問題点
周産期死亡率は,双胎妊娠の中では周産期異常をきたすことが少ないとされる二絨毛膜二羊膜性双胎でさえ単胎妊娠に比べ約10倍高く,一絨毛膜二羊膜性双胎では約50〜60倍高いといわれている.さらに一絨毛膜一羊膜性双胎においては,その周産期死亡率は約50%ときわめて高率である.
一絨毛膜性双胎特有の合併症としては,胎盤の表在あるいは深部血管吻合に起因するものでは,双胎間輸血症候群(羊水過多および過少,discor—dant twins,心不全,胎児水腫,胸腹水,stucktwinなど),無心体などがあり,一羊膜性に起因するものでは臍帯相互巻絡,臍帯脱出,結合体などがあり,1児胎児死亡に起因するものでは脳障害(脳室周囲白質軟化症,脳内出血,水無脳症,孔脳症など),腎障害(先天性皮質壊死),消化管障害などの子宮内胎児塞栓症候群があげられる.したがって多胎では膜性によって胎児に異常をきたす頻度に大きな違いがあるので,妊娠初期に正確に膜性診断を行っておくことがその管理の上で重要であるといえる.
周産期死亡率は,双胎妊娠の中では周産期異常をきたすことが少ないとされる二絨毛膜二羊膜性双胎でさえ単胎妊娠に比べ約10倍高く,一絨毛膜二羊膜性双胎では約50〜60倍高いといわれている.さらに一絨毛膜一羊膜性双胎においては,その周産期死亡率は約50%ときわめて高率である.
一絨毛膜性双胎特有の合併症としては,胎盤の表在あるいは深部血管吻合に起因するものでは,双胎間輸血症候群(羊水過多および過少,discor—dant twins,心不全,胎児水腫,胸腹水,stucktwinなど),無心体などがあり,一羊膜性に起因するものでは臍帯相互巻絡,臍帯脱出,結合体などがあり,1児胎児死亡に起因するものでは脳障害(脳室周囲白質軟化症,脳内出血,水無脳症,孔脳症など),腎障害(先天性皮質壊死),消化管障害などの子宮内胎児塞栓症候群があげられる.したがって多胎では膜性によって胎児に異常をきたす頻度に大きな違いがあるので,妊娠初期に正確に膜性診断を行っておくことがその管理の上で重要であるといえる.
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