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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科56巻9号

2002年09月発行

今月の臨床 妊婦健診のピットフォール

後期健診のピットフォール

2.出血例—見逃しやすい早剥

著者: 宮本正史1 増崎英明1 石丸忠之1

所属機関: 1長崎大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.1131 - P.1133

文献概要

はじめに
 常位胎盤早期剥離(以下,早剥)は,母児にとって重篤な疾患であり,早期診断の有無によりその予後は左右される.妊娠後半期に子宮出血あるいは腹痛が認められた場合,早剥の存在を考慮しつつ診断を進めるべきであるが,診断法のひとつといわれるCTG所見は胎盤の剥離面積や胎児の低酸素の程度により一定のパターンは示さず,重症化する前の診断は困難である.
 早剥は基底脱落膜の出血に始まり,形成された胎盤後血腫がこれに接する胎盤をさらに剥離・圧迫し,最終的には胎盤機能を障害する.この過程における超音波断層像は多彩であり,その早期診断は必ずしも容易ではない1).また,超音波断層法で明らかな早剥の所見が認められない場合であっても,早剥を完全に否定できるわけではない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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