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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科56巻9号

2002年09月発行

文献概要

原著

凍結融解後のヒト精子生存率と高速直進精子の関係

著者: 小峰富美子1 星本和倫1 星本和種1 林雅敏1 大藏健義1

所属機関: 1獨協医科大学越谷病院産婦人科

ページ範囲:P.1167 - P.1171

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 精子の凍結保存はART(assisted reproduc—tive technology)において,きわめて重要な手技である.しかし,凍結保存後の精子生存率は症例により大きく変動する.最近の報告では,capacitationの過程の1つである精子細胞膜の流動性と,高速直進精子の存在,凍結融解後の精子生存率の間に何らかの関係があることがそれぞれ指摘されている.そこで,今回われわれは精液所見と凍結融解後の精子生存率との関係を比較検討した.その結果,多くの精液所見と凍結融解後の精子生存率との間に有意な相関は認められなかったが,高速直進精子の存在比率と凍結融解後の精子生存率との間には有意な相関が認められた.したがって,本研究から高速直進精子の存在比率の算定は,凍結融解後の精子生存率を予測する上で有用なマーカーである可能性が示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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